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  <title>雑記帳</title>
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  <description>何時かまとめる小話とか</description>
  <lastBuildDate>Sat, 02 Apr 2011 21:58:59 GMT</lastBuildDate>
  <language>ja</language>
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    <item>
    <title>生存報告。</title>
    <description>
    <![CDATA[　生きてるよ、と一応。(笑)<br />
<br />
　最近はちょっと脳内が『DOGS！』とか『紫電の瞳』とかその他オリジから離れてて、作品が書き上げれてない現状。いやはや、申し訳ないね……。(苦笑)　でも最近ちょっと戻りかけてるので、まあ、頑張ります。（何を？）<br />
<br />
<br />
　とりあえず短編を一本考え中。<br />
　まだアップできるかは未定なのと、脳内で練っているだけの状態なので確定じゃないけれど。<br />
<br />
<br />
　ぼちぼち、お待ちください。]]>
    </description>
    <category>雑記</category>
    <link>https://tukiamiafter.blog.shinobi.jp/%E9%9B%91%E8%A8%98/%E7%94%9F%E5%AD%98%E5%A0%B1%E5%91%8A%E3%80%82</link>
    <pubDate>Sat, 02 Apr 2011 21:59:16 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>夏と祭の終わる夜に　【前編】</title>
    <description>
    <![CDATA[　笛や太鼓の音が夜に響く。<br />
　広場には大きな焚火が焚かれ、その周囲には多くの人が集っていた。酒を飲む者、御馳走に舌鼓を打つ者、各々に持ち寄った楽器を使い賑やかな音楽を奏でる者、隣り合う者と雑談を交わす者…その全てに共通するのは、笑顔が絶えない事だろうか。誰もが皆、楽しそうに嬉しそうに笑っているのだった。<br />
<br />
<br />
「今年の祭りも大成功…良い事ですよ」<br />
<br />
「そうですね、伯父上」<br />
<br />
<br />
　その光景を少し離れた場所から眺めている二人組が居た。<br />
　片や二十代中程、片や五十は超えていそうな壮年である。それぞれに祭りを楽しむ一同の様子を見ながら、穏やかな表情を浮かべる様子には、まるで子を見守る親の様な貫禄すらある。とはいえそれもその筈。彼ら二人は、この集う人々の上に立つ者として里を治める側の人間なのだった。<br />
<br />
<br />
「魂送りの儀も先程済ませましたし、後はまあ……羽目を外しすぎない程度に楽しんでもらえたら一番かな、という感じで。僕らがやる事は、全部終わりましたからこれで一安心です」<br />
<br />
「すっかり長の役職も慣れたものだね、アレイク君。この里に腰を落ち着けてからもう十年というのもあるんだろうけれど…これも<ruby>蒼阿<rt>ソウア</ruby>の手際の良さが遺伝したかな？　それともやはり老師の教え方が良い…と事なのかな？」<br />
<br />
「そ、そんな事は……まだまだです。修行が足りない、とお師様にはしょっちゅう怒られますから」<br />
<br />
<br />
　秋も近い満月の夜。下界に開くという黄泉の門から現世へ溢れ出す死者の魂を鎮め、再び門の彼方へ返すというこの時期毎年恒例の儀式である『魂送りの儀』。里の皆が見守る中、その儀式の中心人物として一仕事済ませてきたばかりの青年は、前里長であり故人である父親の名前まで出されて褒められた事に苦笑した。肩を竦めて言う言葉には苦いものが混じっている。<br />
　アレイクの師である<ruby>龍<rt>ロン</ruby>老師は自分には甘い（らしい）方だが弟子には厳しいタイプの人間だ。もし100%成功していたとした所で、それでも尚やれ最悪を想定した対策やら何やら諸々のものを求めてくる事だろう。もう数十年は彼を師として学ぶ者達にとっては、褒められる事自体がレア化しているという噂すらあるぐらいなのだから当然と言えば当然の話である。<br />
　とはいえ…それでも彼は厳しくはあっても理不尽では無い。本人を目の前に表には出さないものの、それなりの正当な評価はちゃんと下しているものだ。それは、長い付き合いになる者ならば実はよくわかっていたりするのだが。<br />
<br />
<br />
「ははは。老師は何時でもそんなさ。でもそんな風に言っては居てもちゃんと見る所は見ているからね。君の事も大きく評価している様で、良く私にも自慢をしに来るよ」<br />
<br />
「兄弟子にあたる伯父上にそう言われると…何だか照れます」<br />
<br />
<br />
　ぶっちゃけ、自慢されまくってました。そう暴露してやれば言葉の通り照れくさいのか、さり気なく視線を外しつつ頬をかくアレイクの肩を壮年はポンポンと軽く叩きつつ小さく笑った。最近貫禄の様なものすら出てきた甥っ子はしかし、どうも小さい頃から幾ら褒められても褒められ慣れない所は変わらないらしい。<br />
<br />
<br />
「それにしても、伯父上だなんて固い呼び方は私には似合わないよ。アレイク君。昔のように気軽に呼んでくれ、と何回言えば良いんだろう？　それにそんな敬語も私などには勿体無いさ」<br />
<br />
「そうは言いますけれどそこはこう……立場とかもありますし…」<br />
<br />
「誰も気にしないと思うけれどねぇ……まあ、君が嫌というなら無理強いはしたくない所だ。諦めようか」<br />
<br />
「……！？　お、伯父上そんな悲しそうな顔しなくても…！？」<br />
<br />
「え、そんな顔をしていたかな私は…？」<br />
<br />
「わ、わかりました……呼び方だけ、ですからね？」<br />
<br />
「良いのかい？　ふふ、それでも嬉しいよ私としてはね」<br />
<br />
<br />
　さぁさっそく今すぐ呼ぶんださぁ！<br />
　そんな目線から、何とはなしに視線を外しながら（見ていると気恥ずかしくなってくるのだ）アレイクはぼそりと呟いた。<br />
<br />
<br />
「えーと………す、…<ruby>萃狼<rt>スイロウ</ruby>伯父さん……」<br />
<br />
「はい、良く出来ました…！　…嗚呼久々だなぁ…何年振りだろう！」<br />
<br />
（……この反応が嫌だったんだよなぁ……無駄にハッスルしちゃうし）<br />
<br />
<br />
　穏やかかつ物静かそうな紳士的な外見とは裏腹、一気にテンションアップで子供の様にはしゃぐ父の兄にあたる伯父、萃狼の様子に。アレイクが思わず遠い目などしてしまうのも、まあ、無理からぬ話ではあった。<br />
<br />
<br />
<br />
<div style="text-align:center">※　※　※</div><br />
<br />
<br />
<br />
　一方その頃。<br />
　祭りの喧騒からはかなり離れた里長の邸宅のある一室も、また、何時になく賑やかだった。<br />
<br />
<br />
「ほぃじゃが随分とまぁ大きゅうなったのぉ」<br />
<br />
「それは仕方が無い。最後に会った時はまだ私も十代だったんだから」<br />
<br />
「ぬしらと別れたんは確か、おんしが十八ぐらいの頃だったか…それから数えて早、十数年以上じゃからの。そりゃあ変わって無い方が恐ろしいわ！」<br />
<br />
「逆に……師匠は変わらないな。リザードマンだから年齢が分かり難いというのもあるんだろうが」<br />
<br />
「人間じゃったら皺じゃぁ白髪じゃぁで分かりやすかろうが、わしの種族は鱗じゃぁ角じゃぁにある年輪模様で年齢を計るもんじゃけぇのぉ。仕方も無い話じゃぁ…！」<br />
<br />
<br />
　ドッと笑い声が響く部屋の中には、複数の人影があった。<br />
　一人は天井に着くほど、とまでは言わないがしかしかなりの長身巨躯を誇る人物である。その頭はトカゲそのもので、着衣に覆われていない部分からは全身を覆う美しい青い鱗が覗いていた。しなやかな鞭を思わせる長い尾が、時折ゆらりゆらりと揺れている。その隣で丸椅子に座るのは紅の法衣に身を包むこちらは人間の男性だ。年の頃は六十過ぎといった所か。黒髪の中に白いものが多少目立ちだす頃合いといったナイスミドルな見た目ではあるが、先程からその表情は友人をからかって遊ぶ子供の様にどこか無邪気なものであったりする。<br />
　そして最後の一人は、部屋の窓際に近い場所にある大きめのベッドに横になったままのこの部屋の主である女性であった。長い黒髪に紫紺の瞳。先程からの会話に対しての表情は乏しいながらもどこか穏やかなその双眸は、確かにこの雑談を楽しみ笑んで居る証であるのだろう。<br />
<br />
<br />
「昔はあがぁにこまかったんに……もう確か結婚しとるんじゃね？　信じらりゃあせん」<br />
<br />
「結婚は……十年ぐらい前だったかな。自分自身でも結婚出来るとは思って居なかったので驚いたものだが。しかし師匠、そこまで言うか…」<br />
<br />
「シンの奴が覚えとるおんしの姿は、そりゃもうまだ娘仔だった時分のものだろうからの。しゃあないものはあるんじゃろうが」<br />
<br />
「ちなみに相手はどこの誰なんか？　わしも知っとるヤツじゃろうか」<br />
<br />
「師匠が知っているかは知らないが……確か…私から遡って祖父の兄の息子の子供、とか言っていたな。まあ、遠縁の親族という事になるんだろうが」<br />
<br />
「何じゃっちんさい！　萃狼のところのガキか！！」<br />
<br />
「父親に似て真面目で誠実での、まあ、任せても大丈夫じゃろう…とわしも太鼓判を押したもんよ。双子の兄のアレイクの奴が最後まで心配しとったが……アレは、吾奴にとっても幼馴染。知らん相手では無い分、ようわかっとる。結局、最後は折れて認めておったようだが」<br />
<br />
「……蒼阿が生きとったら、こう簡単にゃあいかなかったんじゃろうね」<br />
<br />
「そうじゃの。一発二発殴られる程度で済めば幸いじゃろうが、そうはいかんかったろうなぁ……下手したら世界の裏側まで引っ張って行かれてそのまま放置。帰ってこれたら認めてやるかもしれないがわからんぞ…ぐらいは言いかねん」<br />
<br />
「……どんだけ無茶な父親だったんだ。私の父親は」<br />
<br />
<br />
　今までチラホラと聞く機会もあったものだが。しかしそれでも、二人のもしも父が生きていたらの場合を想定した話を聞くになかなか無茶な人物だった事が窺える。自分や兄とはあまり似ていないのは自分達が物心つく前に亡くなったからなのかもしれない。それが幸いだった、と言えるかどうかはまた別の話だが。<br />
<br />
<br />
「ちなみにウタリよ…ガキは？」<br />
<br />
「一人。息子が居る。今頃は同年代の子供と一緒に広場で祭りに参加しているんじゃないだろうか」<br />
<br />
「蒼阿の若い頃に、見た目も才能的な意味でもこれがよぅ似とってな！　今はアレイクに師事して見習いをやっとるよ」<br />
<br />
「そりゃぁ将来が楽しみじゃの。また後で顔を見とくか」<br />
<br />
<br />
　豪快に笑う。牙を剥く様な独特さから無駄に迫力のあるその笑顔は昔に見たものとなんら変わらない。相変わらず明るく迫力のあるその笑顔に、幼い頃は随分と驚かされたものだ…などと、そんな過去の情景を思い出していた女性――ウタリは、ふと、自分へ何時からか向けられていた視線に気付いて顔を上げた。首を傾げる。<br />
<br />
<br />
「……？　何だろうか、師匠？」<br />
<br />
「いや、実は先程から気になりょぉったんじゃが……わりゃぁ今年で何歳になるんじゃったろうか？」<br />
<br />
「今年で…？　……確か、三十七だが」<br />
<br />
「それにしちゃぁ随分若く見えるんじゃが……人間っちゅうもなぁこういう種族じゃったろうか」<br />
<br />
<br />
　鱗に覆われた顔に浮かぶ明らかな疑問の色に、さてどう説明したものかと沈黙するウタリ。その横から別の声が割って入った。<br />
<br />
<br />
「なぁに、おんしも幾らかは蒼阿から聞き知っておろうが。シン。魔狼の正式な主となったからには付き物の弊害よ。とはいえ<ruby>女子<rt>オナゴ</ruby>ならその方が嬉しい…やもしれんな」<br />
<br />
<br />
　既に三十も後半だという弟子の、しかしどう見ても二十歳後半といった辺りの若々しい外見。種族の違いからのものなのかと首を傾げるトカゲ男――シンに対して、『龍老師』とウタリに呼ばれていた壮年の男が真面目な顔で一つの言い伝えにして事実でもある事柄を語る。<br />
　ツキアミ家に延々と伝わる血筋に憑くという魔狼。その正式な主となった者には、魔狼の加護と絶大な力を得る代償として自らの『時』を奪われる。その結果、寿命はそのままに肉体の加齢だけが止まってしまうのだという。周りの友人知人などが当たり前の様に年を重ね老いていく中、自分だけは変わる事が無い――この異常な状態を望まぬ歴代の継承者達からは「これは一種の解ける事無い呪いの様なものだ」とも言われ、魔狼達が忌まれていた原因であったりもするのだが…その辺りはまた別のお話なので割愛されていたが。<br />
<br />
<br />
「そがぁなもんを何でまた……別に魔狼は必ず契約の継承を行わずともええゆっとった様な気がするが」<br />
<br />
<br />
　生まれた時から長子の血統は魔狼の仮の主ではあるらしいのだが、そこで改めて本契約を行わない限り魔狼の影響を受ける事は無い。そんな事を、既に亡き前継承者候補にして自分にとっては友でありウタリにとっては父親にあたる人物から聞いていたシンは、鱗に覆われた顔をあからさまに怪訝げなものへと変える。<br />
　その問いに返って来たのは、どこか自嘲する様な笑みを口端に浮かべるウタリのぽつりとした小さな囁きであった。<br />
<br />
<br />
「……簡単にいえば、<ruby>延命のため<rt>・・・・・</ruby>だ」<br />
<br />
「…延命、じゃと…？」<br />
<br />
「師匠は知らなかったか。私は病気持ちなんだ。ちょっと厄介なタイプの、な…」<br />
<br />
<br />
　トライア病という病が在る。簡単に説明するならばソレは心臓に関する重い病気だった。<br />
　医師の説明では、心臓が少しずつ弱っていって最終的には動きを止めてしまう…病例が少ない為に詳しい病状や対処法は分かっておらず、治療法すら見付かっていない難病――俗に言う〝不治の病〟とも言われる様な病である。今のところ分かっている病状は、潜伏期間が非常に長いモノである事と若い頃に発症すると病状の進行がとても速いという事。そして発症した者は現段階では確実に死亡する、という事だけだった。<br />
　症状が出始めたのはシンと旅路を別にして数年後の事になる。潜伏期間中に目立った異変が在る訳でも無し、当人がまず気付いていないのだ。師が知る訳も無いのは当然だろう。<br />
<br />
　説明している内に驚きのあまり声を失う師の姿から視線を外す。<br />
<br />
<br />
（やれやれ……そんな顔をさせたい訳じゃなかったんだがな）<br />
<br />
<br />
　久し振りの再会だというのに、こんな碌でも無い事を報告しなければならないとは。<br />
　どうにもならない、仕方のない事なのだとと分かっていてもこの時ばかりは。病に冒された我が身を心の底から恨めしく思いつつ、ウタリはそっと瞼を閉じた。<br />
<br />
<br /><a href="https://tukiamiafter.blog.shinobi.jp/%E9%A7%84%E6%96%87%E3%80%90after%20side%E3%80%91/%E5%A4%8F%E3%81%A8%E7%A5%AD%E3%81%AE%E7%B5%82%E3%82%8F%E3%82%8B%E5%A4%9C%E3%81%AB%E3%80%80%E3%80%90%E5%89%8D%E7%B7%A8%E3%80%91" target="_blank">&gt;&gt; Next to …</a>]]>
    </description>
    <category>駄文【After Side】</category>
    <link>https://tukiamiafter.blog.shinobi.jp/%E9%A7%84%E6%96%87%E3%80%90after%20side%E3%80%91/%E5%A4%8F%E3%81%A8%E7%A5%AD%E3%81%AE%E7%B5%82%E3%82%8F%E3%82%8B%E5%A4%9C%E3%81%AB%E3%80%80%E3%80%90%E5%89%8D%E7%B7%A8%E3%80%91</link>
    <pubDate>Wed, 24 Nov 2010 11:07:13 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>【天狼の系譜 ～幕間～】 星に願いを [3]</title>
    <description>
    <![CDATA[　緩慢な動きで時が刻まれる現界。その唯中へと、『彼』は物音ひとつ立てる事無く姿を現した。<br />
　その顕現はあまりにも静かで干渉も無さ過ぎて、きっと誰ひとりとして気付くモノはいなかった事だろう。ヒトたる事を辞め、既に<ruby>肉体<rt>カラダ</ruby>すら存在せず、それどころか存在確率自体が0と1の狭間にある様な身である。世界の事象に『彼』が自分自身の行動で何らかの影響を及ぼす様な事は無きに等しい。まず何より、『彼』が<ruby>理<rt>システム</ruby>の歯車としてではなく彼自らの意思で何らかの干渉などしようとする筈も無い。全ての望みを叶える〝魔法そのもの〟と化したとはいっても、万能の神――といっても神は神で色々と制約も多いらしいが――になった訳ではないのだ。ようは便利な〝道具〟と変わりはしない。目的を持って使う者がいなければ道具だけで何が出来るというのか…つまりはそういう事である。<br />
<br />
　ともあれ、『彼』は<ruby>白の塔<rt>バベル</ruby>以外の場所へと久方振りに足を踏み入れた。<br />
<br />
（……どれ程振りかな）<br />
<br />
　ささやかにしろ劇的にしろ、他に変化を齎す事はあれど<ruby>あの場所<rt>バベル</ruby>自体は変化とは無縁な場所だ。今回の様に敢えて同期でもさせない限り刻まれるべき時は無く、『彼』やその端末達以外には幻の様な夜空しか存在しない。繋がりのある<ruby>次元や世界<rt>ばしょ</ruby>は多々あれど、どの影響も基本的には受け付ける事無くただありのままに存在し続ける。そんな場所から見れば、今降り立ったこの地は随分と賑やかかつ騒がしいモノに『彼』には見えた。<br />
　かつてはこういった絶えず変化を続ける場に自分が存在していた時期もあったとはいえ、最早その時の記憶や感情すら風化して久しい。<ruby>意思ある理<rt>システムの一部</ruby>と化してから言えば、こうやって直接的に世界の唯中に降り立つ事自体も稀だった事もあって何だか知らない場所に迷い込んだ異邦人の様な気分である。<br />
<br />
（ま、異邦人である事には変わりは無いのだろうけれどね）<br />
<br />
　本来、内側に存在するべきではない自分という存在は〝世界〟にとって確かに異質であり異物でしか無い。早く用事を済ませて退散するのが吉だろう。<br />
　気分を切り替えて『彼』は周囲を軽く一瞥する。<br />
<br />
　そこは、酷く味気のない温かみの少ない場所だった。<br />
　無機質な壁や天井に、これまた同じ様な色合いのタイル貼りの床。天井から伸びるアームに繋がる無駄に明るい照明器具。点滴用だろう血の詰まった袋を吊り下げた台。時の緩慢な世界でもゆっくりと計測数値を吐きだす血圧計や分娩監視装置。それ以外にも取り上げた子供の為だろう小振りの寝台、いざという時の為に用意されている酸素ボンベらしき物、何に使うのか良くわからない機材を乗せた金属製の台などがチラホラと見受けられる。<br />
　そしてそんな雑多な部屋の大部分を占めているのが分娩台なのだろう、ベッドとしては少々異質な形をした寝台だった。上には<ruby>白の塔<rt>アチラ側</ruby>に残して来た彼女の<ruby>身体<rt>ヌケガラ</ruby>が寝かされているのが確認できる。その周囲には出産の補助を行う医師か何かなのか。何人もの人が屯し、スローモーションで再生する動画のワンシーンの様な緩慢な動きで各々の職務に励んでいた。<br />
<br />
　その誰ひとりとして、場違いにも出産現場に現れた部外者に気付いた様子は無い。<br />
　それを疑問に思う様子も無く当然の様にその場に在る当の部外者は、紫紺の双眸を軽く細めてゆるりと首を傾げた。<br />
<br />
（やっぱり……微かだけれど感じる。<ruby>此処に居る<rt>・・・・・</ruby>。…でも、誰だ？）<br />
<br />
　ほんの少しだけ、感じるか感じないかといったぐらいの微かなものだけれど。<br />
　<ruby>希<rt>こいねが</ruby>う強い意志。気のせいでないならば、ゆっくりと時が経過するごとにその強さは増している気がする。<br />
　しかし如何にもはっきりしない。近い事は分かるのだが、あまりに微かなモノ過ぎて、誰の<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>なのかがはっきりと判別出来ないのだ。<br />
<br />
　少なくとも、この場に居る医師やスタッフらしき者の中からそれ程強い<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>を感じ取る事は出来ない。となると直ぐ外だろうか。振り返る。<br />
　眼前には重々しい金属製の分娩室の扉があった。その向こうに数名の人間の存在を感じ取れる。一度確認しておくべきかと歩を進めた。わざわざ扉を押しあけたりはしない。現在の時間の流れの中では開くまでにかなりの時間がかかってしまうのだから、そんな非効率的な事はさらさら御免である。だいたい元より実体など存在しない身だ。障害物というモノ自体が合って無き様なモノである『彼』は、表情一つ変えずに分厚い鉄の扉をあっさりと<ruby>すり抜けた<rt>・・・・・</ruby>。<br />
　扉の先はリノリウムの床が延々と続く病院らしい廊下だ。随分と薄暗いのは<ruby>この世界<rt>・・・・</ruby>における今の時刻が深夜とも早朝とも言える時刻だからだろう。シンと静まりかえっていて、カチコチと高い位置にかけられた時計の秒針の動く音が良く響く。そんな廊下の扉にほど近い壁際には横長のベンチが備え付けられており、先程感じた気配の主だろう――何人かの人影が見えた。<br />
<br />
　夫であろう年若い男性が一人と、親族か何かなのだろう初老の男性二人に女性が一人という組み合わせである。誰もが誰も、不安そうな心配そうな表情で沈黙を守っている。中でも、夫であろう男はというと落ち着きの無い様子で腕を組み視線だけで時計を見ては分娩室の方を見て…という動作をしている最中であった。彼等を一瞥した『彼』は、しかし不満げな表情で一つため息をついた。<br />
<br />
<br />
<br />
（……違うね）<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
　中で無いなら外の誰かかと思ったが、どうも違うようだ。<br />
<br />
　確かにそれぞれにそれぞれが強い願いを抱いてはいる――無事に生まれてきて欲しい…だとか、早く生まれないものか…だとか、まあこういう時にお約束のモノだ――もののそれほど大した強さでも無いのだ。先程感じていた微かな意志の方が余程強い。その意志の声が遠くなった事からしてもやはり、彼女を代理で送りこんできた誰かは分娩室の中に居るという事で間違いは無い様である。<br />
<br />
　しかし、分娩室の中に他に該当しそうな人物は誰ひとり居ないのは先程の走査で既に分かっている事だ。一体これはどういう事なのか。再び分娩室へと戻りながら思考を巡らせる。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
（彼女を排除しようとする者の妨害工作…？　いや、それならば別段僕の所へ送る必要なんて無い。もっと単純かつ簡単なやり方なら幾らでも存在する。まず、そんな風に正規の方法以外で<ruby>接続<rt>アクセス</ruby>する事は…僕が許していない限りはっきり言えば殆ど不可能。それに、当人が僕と接触を持つという事ならまだしも…他者の精神を送りこむ何て無理な話だ。大体、どんな方法にしろ僕と接触出来るなら<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>を叶えてもらった方が得だしね。……となると、これは自分の得の為じゃなく<ruby>彼女の為に成された事<rt>・・・・・・・・・・</ruby>というコトだ）<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
　しかも、もしもの話だが。出産中というあまりにもふさわしく無いタイミングにも関わらずこんな事が行われたという事は、逆にいえば<ruby>このタイミングでなければ駄目だった<rt>・・・・・・・・・・・・・・・・・</ruby>のでは無かろうか。そう考えると少し違う視点が見えてくる。『彼』は分娩室に屯す白衣の一人へと手を伸ばした。現在の彼女の状況を知るには、出産中という状態で意識が朦朧としているだろう本人よりもその場に最初から居合わせた者の記憶を読むのが一番早い。<br />
　軽く、本当に軽く。一瞬かそれより少しだけ長い時間だけ手近な人間の肌に指先を触れさせる。たったそれだけながら『彼』からすれば<ruby>接触<rt>アクセス</ruby>としては十分だ。一気に雪崩れ込んでくる〝記憶〟という情報をコンマ秒単位の刹那の時間で全て閲覧してしまえばようやっと理解がいった。成る程。確かに、コレならば仕方が無い。<br />
<br />
<br />
（<ruby>彼女を救う<rt>・・・・・</ruby>為には、このタイミングしか有り得なかったという事だね。となると……）<br />
<br />
<br />
　最早、誰が原因なのかなど分かったも同然だった。居場所も既に分かっている。<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>だってそこに意識を向けるだけで明確に聴き取れた。<br />
　最後の確認という事で、先程までは朧にしか認識できなかったその声に改めて耳をすませる。<br />
<br />
<br />
（嗚呼やっぱりね。……ならばもう此処に用は無い、かな？）<br />
<br />
<br />
　全てわかったからには戻るとしよう。これ以上の負担は、残して来たフィアにとって精神的にも肉体的にも辛いモノとなってしまう筈だ。<br />
　そうと決まれば動きは早い。場違いな部外者の姿は、瞬きするよりも刹那の間にあっさりとその場から消え去っていた。<br />
<br />
<br />
<br />
<div style="text-align:center">※　※　※</div><br />
<br />
<br />
<br />
　痛みにうんうんと唸るしかないフィアの眼前から『彼』の姿が消え去り、再び戻ってくるまでにかかった時間は一分にも満たなかった。それどころか三十秒も経っていないのではなかろうか。改めてこの空間の時間の概念というものが良くわからなくなりながら、フィアは戻って来た青年へとぐったりとしたままながら顔を向けた。戻って来たという事はそれなりに何らかの結論が出たという事だろう。『彼』が一体何を見てきたのかは分からないがその答え如何で自分の未来は決まるかもしれない。<br />
　視線だけで話を促す。声を出す気力が無い事は相手も理解しているらしく、青年はひとつ頷くと口を開いた。<br />
<br />
<br />
「原因は分かった。君が此処に居る理由も、誰がそれを引き起こしたのかも…ね」<br />
<br />
<br />
　それは誰？<br />
　疑問の色を浮かべる蒼瞳を見返しながら、『彼』は苦笑する。<br />
<br />
<br />
「それを話す前に……」<br />
<br />
<br />
<i>――…パチンッ</i><br />
<br />
　音が響くと同時に、不思議な違和感が意識を震わせた。何だろう、と疑問に思う前にふと気が付く。<br />
　痛みが消えていたのだ。先程まで延々と感じていたあの気の遠くなるような痛みが。<br />
<br />
<br />
「ぁ…、時間…を……？」<br />
「こうやって全く違う流れの場所に隔離してない限り、時間を止めてしまうと何もかもが止まってしまう。心の動きも思考の流れも何もかも全てだ。それでは誰が何処から<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>を発しているか判別する事が出来なかったから、だからさっきはちょっと無理をさせてしまったけれど……もう必要ないからね。身体は大丈夫？」<br />
「…何、とか…」<br />
<br />
<br />
　全身を覆う疲労感はどうやっても抜けはしないが、それでも問題になる程では無い。逆に良くこの程度で済んだものだ。<br />
　大きなため息を落としてフィアは寝台の上に横になったまま全身の力を抜いた。流石に疲れた。もう、暫く身体を起こしたくは無い。そんな脱力全開な姿を見たのだろう、淡い微苦笑を浮かべる青年はやれやれと言わんばかりの顔で近付いてくると「さて…」と前置けば、<br />
<br />
<br />
「まずは何故君が此処へ寄越されたのか…その理由から教えておこうかな。実はね――…」<br />
<br />
<br />
　肩を竦めて更に言の葉を続けた。<br />
<br />
<br />
<b>「――…君、どうも死にかけてたみたいなんだよね」</b><br />
<br />
<br />
　フィアの思考が流石に停止した。…今、何と言った？　この青年は。<br />
　そんな彼女の思考を読んだのかそれとも大事な事は二度言う派なのか。『彼』はことさらゆっくりともう一度噛んで含める様に同じ言葉を繰り返す。<br />
<br />
<br />
「君はどうも死にかけてたみたいなんだよ。その場に居る助産婦らしきヒトの〝記憶〟を視てみたんだけれど、何と言っていたかな……そう。分娩中に胎盤が剥離したとか何だとかで、出血が酷いらしい。まあ、それこそ一分一秒を争う…とまでは行かないけれどかなり危険なレベルな様なのさ。<br />
　――<ruby>だから<rt>・・・</ruby>君は此処に招かれたんだ。此処でならば、時は存在しない。君の精神が元の世界に戻るまでの間、<ruby>身体<rt>カラダ</ruby>の方の安全も確保が出来る。……もっとも？　そこまで打算が働いていたのかそれとも<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>の実現に至るプロセスとして君を死なせる訳にはいかなかったからか。その辺りまでは判別するのは難しいけれどね」<br />
「…ぇ……え…あの…え…？」<br />
<br />
<br />
　分娩中の胎盤剥離の危険性、というのは確かに出産前に赴く前に医師辺りに聞いていた気がするがそれが本当に起きたというのか。<br />
　そしてそれのせいで死にかけている？　そんな事を急に言われても、頭の回転が付いていかない。<br />
　動揺するしかないフィアに『彼』は言う。<br />
<br />
<br />
「何にせよ、本来の望みの主の最も強い<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>……それは、<b>君の命を救う事</b>だ」<br />
「それで……だからって、何で私が…ココに……！？」<br />
<br />
<br />
　死にかけていただとか何だとか、非常にショッキングな事を言われて動揺はしていたものの時間がたてば多少は落ち着いてきた。ようやっと回り始めた頭でフィアは疑問を感じたままに口にする。<br />
　別に、『彼』を惹き寄せられる程の<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>があるのならば直接願えば良い筈だ。直々に説明されていた法則が確かならば、フィアがこの場所に来なくとも魔人の提示する対価さえ払えるのならば<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>は叶える事が出来る。それだというのに何故自らが『彼』との謁見を行うのではなく、こんな間接的なややこしいやり方をとったというのか。<br />
<br />
<br />
「それは仕方が無いと思うね」<br />
「何が……仕方が、無いの…？」<br />
「僕は確かに<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>を叶える。でも必ずその<ruby>工程<rt>プロセス</ruby>に行く前に、願う本人の<ruby>支払うべき対価<rt>・・・・・・・</ruby>の内容と其れを確認した上での<ruby>最終的な可否の判断<rt>・・・・・・・・・</ruby>を求める。ソレ等は確実に消化しなければいけない工程で、決して無視したり略したりする事は出来ない。世界の改変を行うんだから…それだけ重い責任がそこに発生してしまうからね。アッサリと改変を許す訳にはいかないから、それなりの段階を踏む必要があるんだ」<br />
「…？」<br />
<br />
<br />
　だからどうしたと言うのだろう。<br />
　放とうとした言の葉を、しかし『彼』は先に遮る様にして続けた。<br />
<br />
<br />
「今回の望みの主はね……その<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>の強さ的には十分僕と出逢える資格を持っていたけれど、この必要な工程を消化する事が出来ないんだ。だから、<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>の内容的に最も関係の深い君が自動的に選択されて招かれた。僕はそう見ている。――…だからこそ、君は聞かなければならない」<br />
「……何を？」<br />
「〝君の命を救う〟という願いに対しての対価を。…そして、その上で君は決断しなければならない。<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>を叶えるか否か、どうするのかを」<br />
「そ、そんな事…言われても……」<br />
<br />
<br />
　フィアは流石にコレには首を横に振る。それはもう勢いよく。<br />
　だってこれは自分の<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>ではない。他の人が心の内に強く願った<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>の話なのだ。確かにこうやって<ruby>白の塔<rt>バベル</ruby>に来てしまっている事からしてもその資格はあるのかもしれない。しかしコレは、自分の命がそこにかかっている（かもしれない）とはいえおいそれと気軽に聞けるものでもないし、ましてや勝手に判断して良いモノだとは到底思えない。何といっても、対価によってはその望んだ当人が大変な目にあうかもしれないのだ。無茶にも程がある。<br />
<br />
<br />
「む、無理無理…っ！　こんな重大なコト私に任すなんて無茶よ…！　無謀でしかないよっ！　………ねぇ、どうにか出来ないの？　どうにかして、その願った本人自身で判断してもらったりとかは……」<br />
「出来たらこんな無茶な事は言わないよ」<br />
<br />
<br />
　仕方が無いんだ、と『彼』はこぼす。<br />
　どこか苦い顔をして。<br />
<br />
<br />
「当人には、まだ〝言語〟という概念が<ruby>存在していない<rt>・・・・・・・</ruby>。今回の<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>だって、言葉としてではなく概念というか感情と言うか…とにかくそう言った、言葉に出来ないモノで僕は受け取ったのを翻訳したに過ぎない。そんな相手に対して対価の内容だの、それを確認した上での判断だの聞いてみた所で欠片も理解出来ないだろうからね……」<br />
<br />
<br />
　それは一体どういう事なのだろう。<br />
　思わぬ返答に目を丸くするフィアへと、青年は紫紺の瞳を向ければ深くため息をついた。<br />
　呟く。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
「今回の主原因……願いの主はね―――…君が命をかけて出産している真っ最中の<ruby>お腹の中の子供<rt>・・・・・・・・・</ruby>、当人なんだよ。冗談みたいな話だけれどね」<br />
<br />
<br />
　…嗚呼、成る程。<br />
　それは確かに不可能だろう。<br />
<br />
　『彼』の今日一番の驚愕的な発言に対して、思わず納得してしまうフィアだった。<br />
<br />
<br />
<div style="text-align:right">>>To be continued…</div><br />
<br />
<br /><a href="https://tukiamiafter.blog.shinobi.jp/%E9%A7%84%E6%96%87%E3%80%90dogs%EF%BC%81%E3%80%91/%E3%80%90%E5%A4%A9%E7%8B%BC%E3%81%AE%E7%B3%BB%E8%AD%9C%20%EF%BD%9E%E5%B9%95%E9%96%93%EF%BD%9E%E3%80%91%20%E6%98%9F%E3%81%AB%E9%A1%98%E3%81%84%E3%82%92%20-3-" target="_blank">&gt;&gt; Next to …</a>]]>
    </description>
    <category>駄文【DOGS！】</category>
    <link>https://tukiamiafter.blog.shinobi.jp/%E9%A7%84%E6%96%87%E3%80%90dogs%EF%BC%81%E3%80%91/%E3%80%90%E5%A4%A9%E7%8B%BC%E3%81%AE%E7%B3%BB%E8%AD%9C%20%EF%BD%9E%E5%B9%95%E9%96%93%EF%BD%9E%E3%80%91%20%E6%98%9F%E3%81%AB%E9%A1%98%E3%81%84%E3%82%92%20-3-</link>
    <pubDate>Wed, 17 Nov 2010 09:46:07 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">tukiamiafter.blog.shinobi.jp://entry/32</guid>
  </item>
    <item>
    <title>【天狼の系譜 ～幕間～】 星に願いを [2]</title>
    <description>
    <![CDATA[　一瞬耳を掠めた囁き。<br />
　ヒトの無意識の<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>を叶えるという、<ruby>魔法それそのもの<rt>・・・・・・・・</ruby>と化した青年の言葉は、フィアからすると想定外のものでしかなかった。<br />
<br />
「………、ぇ…？」<br />
<br />
　今、何と言った…？<br />
　思わずフィアは聞き返した。それに対して『彼』は何と説明したものかと悩んでいるかの様な複雑な表情で暫し思案した後に、言葉を選びながら口を開く。<br />
<br />
「君から叶えるべき<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>を読みとる事が出来ないんだよ。顕在意識は勿論だけれど潜在意識においても、ね。……気のせいかとも思ったけれどこうやってしっかりと相対してみれば良く<ruby>理解<rt>わか</ruby>る。君は本来、此処に来るべき資格が無いんだ」<br />
「そ、それって……結構マズい事なんじゃ無いの……？」<br />
「うん。正直言えばかなり拙い」<br />
<br />
　青年はひとつ頷くと、ため息をひとつこぼした。<br />
<br />
「こんな事は前例が無いんだ……此処に、この場所に、訪れる者の精神を縛るのは当人が持つ強い<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>の存在だから。これが叶うにしろ叶わないにしろ、何らかの形で消化されない限りは元の世界に精神を還してあげる事が出来ない。還してあげたいのはやまやまだけれど、出来ないんだ。僕は<ruby>そういう存在<rt>・・・・・・</ruby>だからね」<br />
<br />
　どうしたものかな、と呟いて『彼』は思案を巡らせる。<br />
<br />
「<ruby>理<rt>システム</ruby>にバグでも生じたという事…？　いや、それならば僕が感じられない筈が無い。転化したばかりの頃ならばまだしも、既に根幹部分と同化して長いんだしどんな些細な異変でも感知出来ない筈が無い。まして、こうやって時間をとって洗い浚い全ての事象に対して走査を行った上で見逃す筈も無い。となると…別の理由があるという事になる、けれど……」<br />
<br />
　最早、理解不可能な独り言が羅列される中でフィアは途方にくれた。<br />
　一体どうしたものか。殆ど何も分からない中で少なくとも分かるのは、このままではこの世界に自分の精神は囚われたまま戻る事が出来ないという事だ。表情を陰らせる。<br />
<br />
（私が此処から戻れなかったら、一体どうなるの……？）<br />
<br />
　此処にいる間、本来の世界に残されたままの肉体に影響は無いとさっき言っていたが、それでは戻れなかった場合自分はどうなってしまうのだろうか。死んでしまうのか？　それとも魂が抜けた様な、植物人間みたいになってしまう？　いや、問題はそれだけではない。今の自分は現在進行形でとても大きな問題を抱えているのだ。<br />
<br />
（お腹の、子供は……）<br />
<br />
　そう…出産中の子供はどうなってしまうのだろう。母親が、こんな事になってしまったら……。<br />
<br />
　最悪の事態を考えたフィアは全身の血が一気に引いていくのを感じた。<br />
　駄目だ。それだけは認められない。もしも自分の命と引き換えになるとしても、子供の命だけは助けないと。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
「あの…っ！！」<br />
<br />
　思わず声が出た。<br />
<br />
「あの…その……私には貴方が言う諸々の殆どは分からないけれど…！　私に、何か出来る事って無いのかしら…！」<br />
<br />
　出さずには居られなかったのだ。<br />
　あのままじっと事態が動くのを待つなんて。手を拱いて見ているだけだなんて、そんな事は許せなかった。<br />
<br />
（だって私は母親だもの…！　母親が子供を護らないで、誰が護るって言うの…？）<br />
<br />
「君に出来ること、か……」<br />
<br />
　緩く握られた拳を軽く口元に添えるという風に思案に耽っていたらしき『彼』は、申し出の声に顔を上げる。宵闇にも似た紫紺色の瞳に覗き込まれ、フィアの蒼い瞳が不安げに揺れた。<br />
<br />
　そのまま、たっぷり十秒間。<br />
　二人は見詰めあう。<br />
<br />
　それはほんの少しの時間だ。しかし、その沈黙の十秒間に魔人は何かを決めたのだろうか。一度伏せられ、しかし再び開かれた眼差しは先程までとは明らかに異なっている。そこに宿るのは逡巡ではなく、それを振りきったうえでの決意の意志だ。<br />
<br />
「……正直、かなり危ない橋を渡る事になる。それでも構わない？」<br />
「構わないわ。それが少しでも役に立つのなら」<br />
「分かった。じゃあ、」<br />
<br />
<br />
　サッとその手が振られれば、眼前に白いモノが滑り込んでくる。見ればそれは先程フィアが目を覚ました際に寝かされていた浮遊する寝台だ。『彼』は細い指先でそれを指し示す。<br />
<br />
「きっと君は立っていられなくなる。その前に、座るなり何なりしておくと良い」<br />
「……何をするつもりなの？」<br />
<br />
　確信を持って告げられる言葉に眉を潜めるフィア。寝台へと腰掛けながら首を傾げる彼女に、無造作に告げる。<br />
<br />
「ロクでも無いことだよ」<br />
<br />
　右手が緩く握り込まれ親指に中指が添えられる。それを怪訝げに見詰める姿に、『彼』は小さく肩を竦めて見せた。<br />
<br />
「君は、自身に資格が無いにも関わらずココに居る。その原因が君に無いならば考えられる可能性はたったひとつだけ。――…<ruby>間接的に君をここに寄越した誰かが居る<rt>・・・・・・・・・・・・・・・・・・</ruby>、という事だ。前例の無い話だけれどね」<br />
「それは誰…？」<br />
「さあ、誰だろうね？　少なくともあまりに情報が少なすぎるから判断は難しい。ただ、少なくとも君の側には居る筈だ。……それを炙り出す」<br />
「どうやって？」<br />
「<ruby>時を動かす<rt>・・・・・</ruby>。…さぁ、いくよ？」<br />
<br />
　それは一体どういう事なのか。<br />
　どんな影響が出ると言うのか。<br />
　それら諸々を問うより尚早く――…<br />
<br />
<br />
<br />
<i>――…パチンッ</i><br />
<br />
<br />
<br />
　指が鳴る鋭い音が響き渡るのと同時。<br />
　先程まで何とも無かった下腹部に走った気が遠くなりそうな激痛に、フィアは身体を震わせ息を呑む。寝台の端に手をかけて崩れ落ちそうな身体を必死に支えるがその華奢な腕がガクガクと震えて止まらない。<br />
<br />
（なに、これ…っ！？　何で、今……！？）<br />
<br />
　その激痛は、正しくここに来る直前まで自分の身を苛んでいたものと同じもの――陣痛の、産みの苦しみだ。必死に息を整えながらソレに耐えるフィアへ『彼』は言う。<br />
<br />
「本来ならば僕の前にヒトが招かれている時…その精神、或いは魂と呼称しても良いかな？　何にしろ、ソレが抜けた<ruby>肉体<rt>ヌケガラ</ruby>が存在する世界の時は止まっているのが普通なんだ。空っぽの身体はそのまま放置し続ければ自然と弱っていって最終的には死んでしまう事だってありえるから。勿論、完全に切り離された訳ではないから多少の繋がりはまだあるんだけれど、それでも命の維持には心許ないレベルだしね。<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>を叶えに来て悩んでいる間に死んでしまっては意味がないでしょう？　こちらとしても命を奪うのは本意ではないし、それでは強制的に対価を貰いすぎてしまう。そんな事態を防ぐ為の防御機構だと思えば良いかな。<br />
<br />
　……ともあれ、それを<ruby>一時的に解除<rt>・・・・・・</ruby>したんだ。今、この空間は君の本来の世界と<ruby>同期<rt>リンク</ruby>して時を刻んでいる。とは言っても、君の必要以上の消耗を防ぐために通常の数十分の一の速度で…だけれどね。そして、今まで止まって居たからこそ感じなかった痛みを、君は<ruby>容れモノ<rt>カラダ</ruby>と辛うじて繋がっている感覚越しに受け取っている訳だ。……やっぱり寝台を用意して正解だったみたいだね、その様子では」<br />
<br />
　苦笑する青年に言葉を還す余力もない。それどころか最早身体を起こしておく事自体が辛い。ぐったりと寝台に身を横たえ早く浅く呼吸を繰り返しながら、フィアはふと脳裏をよぎった疑問を意識する。確かに初産でもあるからか産みの苦しみはかなりのものだ。ここに来るまでも、このまま死ぬんじゃなかろうかと朦朧とする意識で考えた程である。<br />
　だか、しかし。<br />
<br />
（こんなに…苦しいもの、だった……？）<br />
<br />
　何だか違うのだ。<br />
　例えば、痛みの感覚はもっと早かった気がする。寄せては引いていく波のようだった筈だ。それだというのに、今感じる痛みはジワジワと強まるばかり。まるで津波の如く絶えず波が押し寄せ続ける様な感覚は、正直言って気を抜く余裕すら与えてくれなくて浅い呼吸をするので精いっぱい。ぎゅ、と寝台の上に広がるシーツを握り締めてただただその痛みを必死に耐える。<br />
<br />
「時が通常の数十分の一で刻まれるという事は、即ち時が引き延ばされているという事。その分…痛みの感覚も長くジワジワと来ているんだろうね」<br />
<br />
　産みの苦しみを現在進行形で味わっているフィアを見降ろす『彼』は、複雑な表情を浮かべると頬を一度労う様に撫でた。<br />
　踵を返す。<br />
<br />
「さて…と。それじゃあもう暫く我慢していて。行ってくるから」<br />
「ど……こ、へ……？」<br />
<br />
　息も絶え絶えになりながらの問い掛けに、しかし彼は振り返らない。<br />
　しかし声だけは帰って来た。どこか場違いに楽しげな声音は告げる。<br />
<br />
<br />
「君の<ruby>容れモノ<rt>カラダ</ruby>がある、あの場所まで。……ちょっと、ね」<br />
<br />
<br />
<div style="text-align:right">>>To be continued…</div><br />
<br /><a href="https://tukiamiafter.blog.shinobi.jp/%E9%A7%84%E6%96%87%E3%80%90dogs%EF%BC%81%E3%80%91/%E3%80%90%E5%A4%A9%E7%8B%BC%E3%81%AE%E7%B3%BB%E8%AD%9C%20%EF%BD%9E%E5%B9%95%E9%96%93%EF%BD%9E%E3%80%91%20%E6%98%9F%E3%81%AB%E9%A1%98%E3%81%84%E3%82%92%20-2-" target="_blank">&gt;&gt; Next to …</a>]]>
    </description>
    <category>駄文【DOGS！】</category>
    <link>https://tukiamiafter.blog.shinobi.jp/%E9%A7%84%E6%96%87%E3%80%90dogs%EF%BC%81%E3%80%91/%E3%80%90%E5%A4%A9%E7%8B%BC%E3%81%AE%E7%B3%BB%E8%AD%9C%20%EF%BD%9E%E5%B9%95%E9%96%93%EF%BD%9E%E3%80%91%20%E6%98%9F%E3%81%AB%E9%A1%98%E3%81%84%E3%82%92%20-2-</link>
    <pubDate>Tue, 16 Nov 2010 06:17:48 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">tukiamiafter.blog.shinobi.jp://entry/31</guid>
  </item>
    <item>
    <title> 【天狼の系譜 ～幕間～】 星に願いを [1]</title>
    <description>
    <![CDATA[　痛くて、辛くて、苦しくて。<br><br />
　己が身を苛むそれ等に必死で耐える。<br><br />
　あまりの痛みに息もまともに出来なくて、荒い呼吸を繰り返す。<br><br />
　目をつぶれば涙が一筋零れ落ちた。<br><br />
　それは生理的なものなのかそれとも痛みからのものなのか、余裕の無い身には判別出来はしない。<br><br />
<br><br />
　朦朧とした意識を呼ぶ声がする。<br><br />
　誰のものかも良くわからないその声に励まされ、何とか必死に息を整えて――…<br><br />
<br><br />
<br><br />
<br />
<br />
<br><br />
<br><br />
<br><br />
<br><br />
<br><br />
<br><br />
<br><br />
<br><br />
<br><br />
<br><br />
<br><br />
<br><br />
<br><br />
「まったく……今まで、此処に来たヒトは沢山居るけれど…君ほど無茶をしたヒトはそうそう居ないよ？」<br><br />
<br><br />
　耳朶を打つ、穏やかさの中に呆れの色を強く滲ませた囁きに。<br><br />
　ぱちりとフィアは瞼を開いた。<br><br />
<br><br />
　視界に広がるのは、仄暗い闇とその中にちりばめられた無数の星の煌めき。時折思い出したように尾を引き流れる夜空の星の向こう側には、覆い被さって来るかの様な蒼い蒼い満月の輝き。ああ今仰向けになっているのか…とそこまで把握した所で、自分の身体が柔らかい何かに寝かされている事に気付く。そっと掌を這わせれば、それはどうやらベッドか何かの様だった。肌触りも柔らかい絹で編まれたかの様なシーツはとても気持ちが良い。<br><br />
　つい先程まで無機質な部屋の天井を見ながら延々と続くかと思われる様な強烈な痛みに、辛さに、ただただ耐えて居たのが嘘の様だ。そういえば、身を苛んでいたソレ等諸々の欠片すら感じなくなっている事に、今更ながらに驚く。視界に見えるものすら変わってしまっているし、一体自分はどうしてしまったというのだろうか。<br><br />
<br><br />
「ぁ…もしかして〝<ruby>天国<rt>あの世</ruby>〟とか、かな……何だか想像していたのと随分違うケド」<br><br />
「いや、あの、〝<ruby>天国<rt>ソレ</ruby>〟は流石に無いから。勘違いしないで」<br><br />
<br><br />
　ぽつりと呟いた独り言には、予想外な事に返答が返ってきた。あおむけの状態で頭上の方から聴こえて来たその声は、勘違いで無ければ先程も聴こえたものだった。ゆっくりと身体を起こし振り返った先には、腕を組み、椅子に腰かけ足を組んだ様な体勢で何も無い虚空に浮かぶ一人の青年の姿がある。その身長よりも長そうな夜色の髪に、白磁の肌。軽く伏せられた紫紺の瞳に、この世のモノでは無い気配を感じさせる不思議な光を宿す青年は、フィアの視線を受けてにこりと微笑む。<br><br />
<br><br />
「やぁ、初めまして。気付いた様で何よりだよ…フィア=マジョリス。もし意識を取り戻さなかったら、と考えて流石にヒヤヒヤしていた所さ」<br><br />
<br><br />
　こんな人間的な気持ちになったのは随分と久し振りだ、と笑う青年にぼんやりとした思考の中でフィアは首を傾げる。自分の名を知るこの人は誰なのだろう。どうも悪いヒトでは無さそうだが記憶にない人物だ。というか、まず自分は今ドコに居て何故こんな状態になっているのだろう。いや。それ以前に、もっともっと重大でとても大切な事が在った様な――…<br><br />
　そこまで思考を巡らせたところで、今まで霞がかっていたかの様な意識が急激に復活する。自分が此処で覚醒する直前まで、どういう状態だったのか。どういう状況にあったのか。その全てを。<br><br />
<br><br />
（嗚呼そうだ…そうだった！　何で忘れてたんだろう…！）<br><br />
<br><br />
　思い出せば居ても立ってもいられなくなった。<br><br />
　慌てて寝かされていた寝台（これも青年同様空中に浮遊していたらしい）から完全に身を起こし、そこから白い床らしきものへと降り立てば、ふよふよ浮かぶ青年へと詰め寄る。詰め寄るだけに収まらず、思わずその肩をがしりと両手でもってホールドすれば流石に予想外の行動だったのか。ギョッとした顔の青年へと、今一番気になる事を問う。<br><br />
<br><br />
「…赤ちゃんは！　<b>ボクの赤ちゃんは大丈夫なのコレ！！？</b>」<br><br />
「うあわうあうあゆゆ揺らさないでちょっとおお落ち着いて……っ！？」<br><br />
<b>「これが落ち着いていられないよねぇってば天国じゃないなら今コレどうなってるの！！？」</b><br><br />
「わわわ、わかった、わかったから…説明するからお願いちょっと離してそんなに揺らされると流石に<b>うぷ…っ</b>」<br><br />
「へ…っ！？　あああごごごめんなさい大丈夫！？」<br><br />
<br><br />
　普段は話し声は愚か殆ど物音すらしない<ruby>白の塔<rt>バベル</ruby>その最上層に、いつになく騒がしい声が響き渡った。<br><br />
<br><br />
<br><br />
<div style="text-align:center">※　※　※</div><br><br />
<br><br />
<br><br />
「……死ぬかと思ったよ……まぁ、死なないけどさ…」<br><br />
「ご、ごめんなさい…！　つ、ついつい…こう、ヒートアップしちゃって……」<br><br />
<br><br />
　この塔の主だという青年のげっそりとした表情と呟きに、つい先程強引かつ思いっきり頭部を前後にシェイクする…というなかなかキツい目に合わせた張本人はというと何度も何度も頭を下げるしかない。そんなフィアに哀れむ様な目を向ける青年は、気にしないでと力無く笑った。<br><br />
<br><br />
「……まぁ、君の気持ちもわからないじゃないさ。まさか<ruby>出産中<rt>・・・</ruby>に意識が飛んで、急にワケの分からない場所に居る自分に気付いた…なんてシチュエーションで、落ち着いていられるヒトなんて居ないだろうしね」<br><br />
「でも悪いことを……ホントに大丈夫なの？」<br><br />
「<ruby>ヒトだった頃の記憶<rt>・・・・・・・・・</ruby>のせいで軽くダメージを受けていただけさ。本来、肉体すらない身なんだからね。あんな事で気持ちが悪くなったりはしないんだけど」<br><br />
<br><br />
　記憶している情報に引き摺られすぎたかな、と肩を竦めるその顔色は確かに健康そうなものでフィアはホッと胸を撫で下ろす。いくら動揺していたとはいえ、自分のやらかした事は紛れもない勘違い大暴走だ。今思い出すだけで恥ずかしさで死ねそうになる。だいたい、天国とかホント何を考えてたんだろう寝惚けてたのかもしや。しかも口調もうっかり素が出てたし。思い出してしまったことで、自然と恥ずかしさに熱くなる頬を両手で押さえて小さくため息をついた。<br><br />
<br><br />
「……で、状況は把握出来たかな？」<br><br />
「うん、それはもう大丈夫」<br><br />
<br><br />
　一応確認するけれど、と前置かれた言葉には頷く。<br><br />
<br><br />
「此処は世界の狭間にして世界の裏側。この<ruby>白の塔<rt>バベル</ruby>は、私が暮らす本来の世界とは違う時と空間に在るんだよね。そして貴方は、対価と引き換えに<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>を叶える魔人……と。ココまでは間違って無い？」<br><br />
「そうだね」<br><br />
「…で、私の精神だけが今は白の塔に来ていて、<ruby>肉体<rt>カラダ</ruby>は本来の世界で絶賛出産中。此処での時間経過は、どれほど経とうとも私の世界の数秒にしかならないから安心していい…と」<br><br />
「<ruby>完璧<rt>パーフェクト</ruby>。理解が早くて助かるよ」<br><br />
<br><br />
　満面の笑みでパチパチとわざわざ拍手までされると流石に気恥ずかしい。<br><br />
　頬など掻きつつ視線を反らしたフィアは、ふと思い出したまだ解決しない疑問点に思考を巡らせた。<br><br />
<br><br />
　現状は既に理解したし、此処がドコなのかもよく分かっている。今ひとつ確証は無いが、『彼』の説明を信じるならばこんな場所に自分が居る理由も想像はつく。<br><br />
　つまりは塔の主を自分が<ruby>惹き寄せてしまった<rt>・・・・・・・・・</ruby>から…ということなのだろうか。そして残された身体は勿論だが、子供にも危険は多分ない。しかし、そうなると気になってくるのが帰還方法だ。『彼』曰く、自分の前に居る権利を無くせば自動的に帰還する…という事らしい。つまりは、塔の主が叶えるにたる<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>が果たされる、或いは<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>を叶える権利を放棄するかの二つに一つという事だ。<br><br />
　しかし、<br><br />
<br><br />
（…私の<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>、って……何を願ったのかな……？）<br><br />
<br><br />
　考えてはみたが思い当たる節が無くて、フィアは首を傾げる。まあ、だいたい出産とかいて修羅場と読む切羽詰まった状況の中で、まとまった思考でモノを考えられていたとは思えない。となると、もはや無意識の領域に踏み込む話になってしまうのではないか。しかし無意識を自覚出来たらそれはもはや無意識とは言わない訳で…さて、こんな場合はどうなるのだろう。<br><br />
　まあ聞けばきっとわかる事だ。そう結論付けて顔を上げたフィアは、しかし問いの言葉を飲み込んだ。考え込んでいた間もどうやら自分を見詰めていたらしい『彼』のその表情から、声をかけるのを躊躇うほどに深刻そうな気配を感じたからである。先程までの笑顔が嘘か幻だったかの様なその険しい顔のまま『彼』は口を開く。<br><br />
<br><br />
「――――…分からないな」<br><br />
<br><br />
　誰に対してというより半ば独り言に近い声音のそれは、尚も紡がれた。<br><br />
<br><br />
「君という存在がココにあるという事は、つまりは大なり小なり何らかの<ruby>願望<rt>ノゾミ</ruby>が在る筈。僕との邂逅というのは<ruby>そういう理由<rt>・・・・・・</ruby>が無ければ成されない。初回であるならば、それは絶対であり確定事項だ。……それだというのに、何故……？」<br><br />
<br><br />
　何をそんなに不思議がっているのだろう。<br><br />
　首を傾げるフィアを見据えながら、『彼』は囁く様に疑問を呈した。<br><br />
<br><br />
<br><br />
<br><br />
<br><br />
<br><br />
<br><br />
<br><br />
<br><br />
「何故、<ruby>君の願望が視えない<rt>・・・・・・・・・</ruby>…？」<br />
<br />
<br />
<div style="text-align:right">>>To be continued…</div><br />
<br />
<br /><a href="https://tukiamiafter.blog.shinobi.jp/%E9%A7%84%E6%96%87%E3%80%90dogs%EF%BC%81%E3%80%91/%20%E3%80%90%E5%A4%A9%E7%8B%BC%E3%81%AE%E7%B3%BB%E8%AD%9C%20%EF%BD%9E%E5%B9%95%E9%96%93%EF%BD%9E%E3%80%91%20%E6%98%9F%E3%81%AB%E9%A1%98%E3%81%84%E3%82%92%20-1-" target="_blank">&gt;&gt; Next to …</a>]]>
    </description>
    <category>駄文【DOGS！】</category>
    <link>https://tukiamiafter.blog.shinobi.jp/%E9%A7%84%E6%96%87%E3%80%90dogs%EF%BC%81%E3%80%91/%20%E3%80%90%E5%A4%A9%E7%8B%BC%E3%81%AE%E7%B3%BB%E8%AD%9C%20%EF%BD%9E%E5%B9%95%E9%96%93%EF%BD%9E%E3%80%91%20%E6%98%9F%E3%81%AB%E9%A1%98%E3%81%84%E3%82%92%20-1-</link>
    <pubDate>Mon, 15 Nov 2010 23:31:10 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">tukiamiafter.blog.shinobi.jp://entry/30</guid>
  </item>
    <item>
    <title>【どっぐす！】夏だ猛暑だ夏バテだ！ 必見！ 夏対策講座（？）　～二回目～</title>
    <description>
    <![CDATA[セリス 「……とりあえず、ルカさんとレイヴァンちゃんは向こうで壮絶なバトルを勃発させてるので放置ってことで」<br />
<br />
吟人 「……二人で続ける？」<br />
<br />
セリス 「うぅん。二人だと流石に何だか寂しいからね…ちょっと応援を呼んでみたよ」<br />
<br />
拒 「………で、何で私がココに来る必要があったのかキリキリ説明しなさいそこの草食！（セリス睨み付け）」<br />
<br />
吟人 「………………草食？（自分指差し）」<br />
<br />
セリス 「うんまあそれは間違ってないかな…確かに。草食だもんねウタリは。（馬的な意味で）――…そんな訳で、神無月学院は生徒会長の<ruby>乗降<rt>ノリオリ</ruby> <ruby>拒<rt>コバミ</ruby>ちゃんだよ」<br />
<br />
拒 「…あっさり人の主張をスルーした上で人をちゃん付けで紹介するとは、アンタ…相変わらず良い度胸よね…（イライライライラ）」<br />
<br />
セリス 「？」<br />
<br />
拒 「まぁ良いわ。さっさと終わらせてさっさと帰るわよ…！　前みたい（「DOGS！」番外編は『夜空屋』店主の日常参照）にこれ以上碌な目に合わない内にね！」<br />
<br />
セリス 「まぁ良くわからないけど、拒ちゃんもやる気になったみたいだからさっそくいってみよう！」<br />
<br />
吟人 「………ぉー」<br />
<br />
<br />
拒 「で、アンタ一体今回は何を紹介するつもりなワケ？　まさか決めてないとかクソふざけた事言わないわよね言ったら東京湾までブっ飛ばすわよ？」<br />
<br />
セリス 「やだなぁ拒ちゃん。流石にそんな無計画な行動はとらないよ。今回は、夏バテに良く効くって有名な『にがうり』を使った料理とジュースを紹介しようかなって思ってるよ」<br />
<br />
拒 「『にがうり』？　……あぁ、『ゴーヤ』の事ね。アレ、本当に効く訳？　実際の所。私はそれ程信じちゃいないけど、テレビだの何だのでは良くやってるわよね。夏場になると」<br />
<br />
セリス 「それには、それなりの理由があって効くと言われているみたいだよ。実は夏バテには、取るべき対策というのが幾つかあってね……ウタリ」<br />
<br />
吟人 「ん（何か書かれた画用紙を取り出す）」<br />
<br />
<br />
---------------------------------------------------------------------------------------<br />
<br />
【夏バテに対して取るべき対策と考えられているモノ】<br />
<br />
(1)ビタミンB1を採る（摂取した糖質をエネルギーに変換する為）<br />
(2)たんぱく質を採る（たんぱく質内のアミノ酸が筋肉の増強を促す）<br />
(3)クエン酸や酢酸を採る（これらの成分は体内に溜まる疲労に対して改善効果があるため）<br />
(4)こまめな水分補給（渇きを覚えてから一気に水分を摂取すると夏バテしやすい）<br />
(5)ビタミン・ミネラル類を採る（汗等によって体内の水分が排出されてしまう為補給してやる必要がある）<br />
<br />
---------------------------------------------------------------------------------------<br />
<br />
<br />
拒 「何か色々あるのね意外と」<br />
<br />
セリス 「先人の知恵って奴じゃないかなぁ。経験則と言うか。ともあれ、この中の4番でも言っているけど夏バテって水分摂取は結構重要になるんだ。それに体内の水分代謝もね。……で、『ゴーヤ』もだけどウリ科の野菜って実は漢方的見ると体内の水分代謝を整える効果があると言われているんだよね。ついでに言えばこれらの野菜ってその体積の九割が水分からなっていたりする訳で」<br />
<br />
吟人 「あと、ビタミンCもいっぱい」<br />
<br />
拒 「あぁ…そんな理由が在るワケね。てっきりあの独特の苦みで根性が付いて夏の暑さにもへこたれなくなる…とかそんなもんかと思ってたわ」<br />
<br />
セリス 「流石にそれは無いよ…拒ちゃん……」<br />
<br />
拒 「ま、良いわ。さくさく話を進めなさい！」<br />
<br />
セリス 「それじゃあ、とりあえずそれぞれに必要な材料から紹介しようかな。ウタリ、フリップ宜しくね」<br />
<br />
吟人 「了解した（材料の書かれた奴を二枚取り出す）」<br />
<br />
<br />
--------------------------------<br />
<br />
【ゴーヤの佃煮】<br />
にがうり（ゴーヤ）　…　500g<br />
ちりめんじゃこ　…　20g<br />
三温糖　…　150g<br />
濃口しょうゆ　…　30cc<br />
薄口しょうゆ　…　30cc<br />
酢　…　100cc<br />
カツオ節（花かつお）　…　10g<br />
煎りごま（白）　…　大さじ3<br />
<br />
<br />
【ゴーヤジュース】<br />
にがうり（ゴーヤ）　…　1個<br />
バナナ　…　1本<br />
リンゴ　…　1個<br />
牛乳　…　お好み<br />
<br />
--------------------------------<br />
<br />
<br />
拒 「片方は妙に細かいわね…」<br />
<br />
セリス 「まあ料理だから、ちゃんとした。……とりあえずまずは<b>『ゴーヤの佃煮』</b>からかな」<br />
<br />
吟人 「ゴーヤは種付き。砂糖は、きび砂糖や黒砂糖でも問題無い」<br />
<br />
セリス 「補足をありがとう、ウタリ。じゃあ次はレシピにいこうか」<br />
<br />
<br />
<br />
<i>～ BGMは3分クッキングのアレでご覧下さい ～</i><br />
<br />
<br />
 <br />
セリス 「まずはゴーヤを縦半分に切ろう。中のわたと種の部分を取り除いてね」<br />
<br />
拒 「コレ、普通にやるにはちょっととり難いわよ…？　カボチャの種取りとかと同じ匂いを感じる程度に」<br />
<br />
吟人 「スプーンが便利。ごりごり抉る」<br />
<br />
拒 「確かにこうすると楽なモンね。サクサク取れるから気持ちいいじゃない」<br />
<br />
セリス 「ゴーヤのサイズにもよるけれど、ちょっと大きめのスプーンの方が手早く取れるよ」<br />
<br />
吟人 「次は包丁」<br />
<br />
セリス 「はいはい…ウタリは危ないから触らない様に。そんな訳でゴーヤから種とわたを取り除けたら、次はちょっと厚めにスライスしてね。そうだなぁ、5mmかそのぐらいだったらちょうど良いかも」<br />
<br />
拒 「……切るだけ切ったわよ。コレ、どうすんの？　佃煮って言うぐらいだからやっぱり煮るワケ？」<br />
<br />
セリス 「うん。とはいってもまだぐつぐつとは煮ないけどね。熱湯でさっと湯がく程度で今は十分かな？　その後はザルに上げてしっかりと水分を切ってね」<br />
<br />
拒 「……どのぐらい切れば良いのよコレ。適当で良いのよねそうよね？」<br />
<br />
セリス「ぁー…適当でも駄目では無いけど。どうせなら、木べらとかしゃもじで押してしっかり水気を切った方が良いかな」<br />
<br />
拒 「何でよ。手間がかかるじゃない。……と言うか、私の場合、水気なんて〝<ruby>バタ足アクセル<rt>ストップ＆ゴー</ruby>〟（触れた対象を吹っ飛ばせる零距離念動力）でふっ飛ばせば……」<br />
<br />
セリス 「ちょ、こ、拒ちゃん駄目だよそれだと！？　君は良くても本土の人にはそんなのは出来ないから！？」<br />
<br />
拒 「……それもそうね（ちっ）」<br />
<br />
セリス 「あはは…。(苦笑)　そうそう…ちなみに、こうすることで実は後で煮る時間を短縮できるんだよ」<br />
<br />
吟人 「セリス。鍋の準備が出来た」<br />
<br />
セリス 「ありがとう、ウタリ（撫で撫で）」<br />
<br />
拒 「？　何を煮てんの？　コレ」<br />
<br />
セリス 「三温糖と二種類のしょうゆとお酢、三種類の調味料を混ぜたものだよ。これをしっかりと混ぜて鍋で煮立てたら、そこにゴーヤとちりめんじゃこを入れてクツクツ煮込むんだ」<br />
<br />
拒 「どのくらいまで煮れば良いのよ。さっきのはさっと煮だったけど」<br />
<br />
セリス 「基本的には煮汁がなくなるまで、だよ。火が通ると糖分があるからちょっと水あめっぽくなるんだけど、それがカラメルっぽい感じになる一歩手前…ぐらいが一番美味しい頃合いかな。まあ、そこは実際に摘みながら自分で調節するのも良いけどね」<br />
<br />
吟人 「ゴーヤ、黒い。……もう食べれる？」<br />
<br />
セリス 「そうだね。もう食べても平気な感じではあると思うよ」<br />
<br />
吟人 「じゃあ食べる。（ひょいぱく）　……ん。美味しい。………拒も食べる？」<br />
<br />
拒 「えっ……ちょっと、大丈夫なんでしょうね…？」<br />
<br />
セリス 「？　何が？」<br />
<br />
拒 「ゴーヤといえば苦いって言うのが世の定番じゃない。苦みとか、結構残ってたら地の底までめり込ませるわよ…？」<br />
<br />
セリス 「それは大丈夫だと思うよ。しっかりと砂糖やしょうゆの味が染みてる筈だし。ゴーヤの苦みが好きな人は、こんなに黒くなるより早い時点で火を止めたほうが良いんだけどね」<br />
<br />
拒 「………じゃあ、一口だけ食べてみるかしらね」<br />
<br />
セリス 「あぁ、まって拒ちゃん。もう少しで完成だし、せっかくなら完成品を食べると良いよ！」<br />
<br />
拒 「まだ何かあるって言うの？」<br />
<br />
セリス 「うん。最後に、用意しておいたカツオ節を入れて残った水分を吸わせちゃうんだ。そしてごまをパラパラとまぶしてよく混ぜてー……はい、完成！　『ゴーヤの佃煮』の完成だよ！　さぁ、拒ちゃん。せっかくだから一口どうぞ。はい、あーん」<br />
<br />
拒 「……………一口貰うのは構わないわ。でもとりあえず言っておくけど…<b>箸でつまんで私の口元に差し出すの止めなさいこの天然馬鹿！？</b>」<br />
<br />
セリス 「…ぇ？　あれ？　何か問題がある…？」<br />
<br />
拒 「…。……。………。…………コレで欠片も狙ってやって無いから面倒なのよ…狙ってやってたらブっ飛ばして終わりだってのに…（ギリギリギリ）」<br />
<br />
セリス 「？？？」<br />
<br />
吟人 「………ちなみに。ごはん、おにぎり、おつまみに最適」<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
セリス 「さて、佃煮は美味しく出来たし次は<b>『ゴーヤジュース』</b>の方を紹介しようかな」<br />
<br />
拒 「あんな無駄に苦いだけの代物をジュースにしようという精神が良く分かんねーわよ……で、作り方は？」<br />
<br />
吟人 「とても簡単。<b>材料をミキサーに入れてスイッチを入れる</b>」<br />
<br />
拒 「…。……。………。それだけ…？」<br />
<br />
吟人 「それだけ（こくり、頷いて見せる）」<br />
<br />
セリス 「ちなみにワンポイントとして、ゴーヤは事前にちゃんとわたと種を取ったものを適当な大きさに刻んで冷凍しておいてね。そのままだと苦みが結構強いけど、冷凍する事で多少控え目になるんだ」<br />
<br />
拒 「多少、であって苦くなくなるワケじゃないのよねつまり！？　そんなモノ、ちょっと異色の青汁じゃないのよ！？」<br />
<br />
セリス 「そこは一緒に入れるフルーツでかなり緩和されるよ。牛乳を足してやると結構まろやかさも増すしね。……一応の目安の量をさっき紹介したけれど、ゴーヤ自体一個一個味が違うから…実はミキサーにかけた後に微調整してやる必要があるんだ。実際の所」<br />
<br />
拒 「それを紹介するってのはどーなのよ………」<br />
<br />
吟人 「でも身体には良い」<br />
<br />
セリス 「それに本当に上手く出来てるものは美味しいんだよ。ゴーヤが入ってるって気付かないレベルだし。ただ、しっかりミキサーかけてやらないと時々ゴーヤの大きな破片が残っちゃうから要注意」<br />
<br />
吟人 「うっかり噛むと苦い…」<br />
<br />
セリス 「それに、温まってくると味が変わってくるから良く冷えている内に飲まないと危険かも。まぁ、ゴーヤジュースの方は料理するよりもある程度手軽だから一度ネタになる…とでも思いながら試してみると良いとは思うよ」<br />
<br />
拒 「<b>どこの芸人の思考回路をトレースしてんのよソレ</b>」<br />
</TD><br />
    </TR><br />
  </TBODY><br />
</TABLE><br />
<br />
<br />
<div style="text-align:right"><b>（～第三回に続く～） </b></div><br />
<br />
<br /><a href="https://tukiamiafter.blog.shinobi.jp/%E9%A7%84%E6%96%87%E3%80%90%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96%E3%80%91/%E3%80%90%E3%81%A9%E3%81%A3%E3%81%90%E3%81%99%EF%BC%81%E3%80%91%E5%A4%8F%E3%81%A0%E7%8C%9B%E6%9A%91%E3%81%A0%E5%A4%8F%E3%83%90%E3%83%86%E3%81%A0%EF%BC%81%20%E5%BF%85%E8%A6%8B%EF%BC%81%20%E5%A4%8F%E5%AF%BE%E7%AD%96%E8%AC%9B%E5%BA%A7%EF%BC%88%EF%BC%9F%EF%BC%89%E3%80%80%EF%BD%9E%E4%BA%8C%E5%9B%9E%E7%9B%AE%EF%BD%9E" target="_blank">&gt;&gt; Next to …</a>]]>
    </description>
    <category>駄文【その他】</category>
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    <pubDate>Wed, 06 Oct 2010 00:43:29 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">tukiamiafter.blog.shinobi.jp://entry/29</guid>
  </item>
    <item>
    <title>【どっぐす！】夏だ猛暑だ夏バテだ！ 必見！ 夏対策講座（？）　～一回目～</title>
    <description>
    <![CDATA[セリス 「そんな訳で、今日は暑い夏にとっても役立つ飲み物や食べ物の作り方を紹介するよ」 <br />
<br />
レイヴァン 「いや、何が『そんな訳で』なのか良く分かんねぇよ！？」 <br />
<br />
ルカ 「あまり気にしたら負けですよレイヴァンさん。…ではウタリさん？　最初に紹介するモノを発表して下さい」<br />
 <br />
吟人 「了解した。……1品目は<b>『赤シソ酢ジュース』</b>」 <br />
<br />
レイヴァン 「赤シソ…は分かるが酢…？　しかもジュース…？？」 <br />
<br />
ルカ 「シソは古来より、漢方生薬にも使われる程に重用されていた植物です。栄養価はかなり高く野菜の中でもトップクラス。一方、酢は摂取する事で疲労回復の効果があります。どちらも少々独特な味わいから苦手な方も居るかもしれませんが、ジュースにすれば手軽に飲めますし身体にも良い…つまり一石二鳥な訳ですね」 <br />
<br />
セリス 「このジュースは上手く作れば甘酸っぱい感じで、食欲が減退する夏の暑い時期でも飲みやすいんだ。酢の効果で胃液の分泌が正常化されたり、どろどろ血をさらさらなモノにしてくれたりもするしね」 <br />
<br />
吟人 「冷やして飲むと美味い」 <br />
<br />
レイヴァン 「成程な…ま、選ばれるだけのモノではある…と」 <br />
<br />
ルカ 「では、まず材料からお教えしましょうか。……ウタリさん！」 <br />
<br />
吟人 「ん（材料の一覧が書かれた画用紙を取り出す）」 <br />
<br />
<br />
---------------------------<br />
<br />
赤シソ（葉のみ）…　200g<br />
酢　…　400cc（2カップ）<br />
砂糖　…　400g<br />
水　…　2000cc <br />
<br />
---------------------------<br />
<br />
 <br />
セリス 「シソは葉っぱだけを使うから、茎が付いている場合は取り除いてね！」 <br />
<br />
ルカ 「酢は純米酢も良いですが、リンゴ酢もお勧めです。好みで選んで構わないかと思いますよ」 <br />
<br />
吟人 「きび、てんさい……その砂糖がお勧め」 <br />
<br />
セリス 「他にもハチミツをいれる場合もあるみたいだけれど、今回は敢えて入れない方を紹介するよ」 <br />
<br />
レイヴァン 「水はこれは水道水でいいのかよ？」 <br />
<br />
ルカ 「いえ、市販のミネラルウォーターが良いでしょう。とはいえ気にしない方などは水道水で作ってしまうらしいですが。……さて、ではそろそろ作り方と行きましょうか」 <br />
<br />
<br />
<br />
<i>～ BGMは3分クッキングのアレでご覧下さい ～</i><br />
<br />
<br />
 <br />
セリス 「まずは鍋に2000ccの水を入れて火にかけよう。ぐつぐつ煮立ってきたら、酢を2カップ入れてね。そして事前に水洗いしてしっかり水切りをしておいた赤シソを入れて煮出しを開始するよっ」 <br />
<br />
レイヴァン 「何分ぐらいこれは煮れば良いんだ？　煮過ぎはマズイんだろ？」 <br />
<br />
セリス 「そうだね。だいたい五分ぐらいで十分かな。お湯が綺麗な赤紫色になってくる筈なので一旦火を止めてね」 <br />
<br />
ルカ 「火を止めたらシソの葉を取り出しましょう。そして煮出した汁を軽く濾しておくと良いですよ。どうしても煮る際にシソの葉からカスが出たりしますからね」 <br />
<br />
レイヴァン 「もう見た目だけで言うなら立派なシソジュースだな。酢も入ってるからシソ酢ジュース、か…」 <br />
<br />
セリス 「でもこのままだと甘く無いからジュースというよりは煮汁、って感じだけれど」 <br />
<br />
ルカ 「ですので、濾す作業が終わったら火を再びつけて砂糖を加えましょう。しっかりと煮溶かして下さい。その上でだいたい2、30分程度煮詰めると完成です。<b>…ねっ、簡単でしょう？</b>」 <br />
<br />
レイヴァン 「<b>テメーはそれが言いたかっただけだろ…！？</b>　……しかし確かに簡単っちゃ簡単だな。材料費もそんなかからねぇだろうし」 <br />
<br />
吟人 「セリス…入れ物（瓶を差し出し）」 <br />
<br />
セリス 「ありがとう、ウタリ。……あ、レイヴァンちゃん。気を付けてね。保存用の容器はペットボトルとかは使っちゃ駄目だよ？」 <br />
<br />
レイヴァン 「<b>ちゃん付けするな！（殴）</b>　…で、何で駄目なんだよ。別に入れ物なんて何でも良いんじゃねぇの？　後は入れて冷やすだけなんだろ？」 <br />
<br />
ルカ 「シソジュースは発酵したりする事がありますから、プラスチック製の容器だとへしゃげる可能性が出てくるんです。それに、冷やす前に熱が抜けきる前のジュースを注いでしまいますから、熱で有害な成分が容器から溶け出す可能性もあるんですよ。なのでお進めは瓶ですね」 <br />
<br />
セリス 「酢が入ってた瓶をそのまま使うのがお勧めかな。水洗いはいらないよ。水滴があるとカビとか腐敗の原因になっちゃうしね。……それ以外の容器を用意した場合は、出来あがったこのジュースを少量だけ入れて蓋をして…（実演中）…はい、ウタリ。しっかりお願い」 <br />
<br />
吟人 「了解した」 <br />
<br />
レイヴァン 「…？」 <br />
<br />
吟人 「（瓶を上下左右にしっかり振って中身をシェイクし始め）」 <br />
<br />
レイヴァン 「！？　…何してんだこれ」 <br />
<br />
ルカ 「シソジュースを使って振り洗いです。ちなみに中身のジュースは勿体無いですが捨てましょう。飲んだりしたらいけませんよー？　ウタリさん、レイヴァンさん」 <br />
<br />
吟人 「ん、気を付ける」 <br />
<br />
レイヴァン <b>「飲まねぇよ！？　ガキじゃあるまいし！？」</b> <br />
<br />
ルカ 「はははははは、一応ですよ。<b>一・応♪</b>」 <br />
<br />
セリス 「……で。後は、この瓶にさっき作ったのを入れてー…はい、完成！　しっかり冷蔵庫で冷やすといいよ」 <br />
<br />
レイヴァン 「飲む時はこれ、ストレートとかか…？　それにしては濃いそうな感じがすっけど」 <br />
<br />
セリス 「飲む際は三倍程度の水で薄めて飲むのが一番かな？　グラスいっぱいに氷を入れて、3分の1ぐらいまで原液を入れて、冷やしておいたミネラルウォーター何かを入れてしっかり混ぜると良いよ。飲むだけでグッと身体が冷えて夏場には最適なんだ」 <br />
<br />
ルカ 「後はそうですね…大人向けの飲み方としては、焼酎などを飲む時にコレで割ってみるのもまたオツです。色々試してみると良いかもしれませんね」 <br />
<br />
レイヴァン 「……テメーは未成年ばっかりの場で何言ってやがんだよ！？」 <br />
<br />
ルカ 「レイヴァンさんは神経質ですねぇ……わかりました。貴女の血液型はA型ですね？」 <br />
<br />
レイヴァン 「ちょっと黙っとけ！（ギャースカ）」 <br />
<br />
ルカ 「おぉーっと！　……いけませんねぇ、鍋を投げるだなんてレディがする事ではありませんよ？（にやにや）」 <br />
<br />
レイヴァン <b>「レディとか言うんじゃねぇぇええええ！！！（大乱闘開始）」</b> <br />
<br />
セリス 「……ぁー……」 <br />
<br />
吟人 「……………放送事故？」 <br />
<br />
セリス 「…うん、まぁ…間違ってないかな…」 <br />
</TD><br />
    </TR><br />
  </TBODY><br />
</TABLE><br />
<br />
<br />
<div style="text-align:right"><b>（～第二回に続く～） </b></div><br />
<br />
<br /><a href="https://tukiamiafter.blog.shinobi.jp/%E9%A7%84%E6%96%87%E3%80%90%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96%E3%80%91/%E3%80%90%E3%81%A9%E3%81%A3%E3%81%90%E3%81%99%EF%BC%81%E3%80%91%E5%A4%8F%E3%81%A0%E7%8C%9B%E6%9A%91%E3%81%A0%E5%A4%8F%E3%83%90%E3%83%86%E3%81%A0%EF%BC%81%20%E5%BF%85%E8%A6%8B%EF%BC%81%20%E5%A4%8F%E5%AF%BE%E7%AD%96%E8%AC%9B%E5%BA%A7%EF%BC%88%EF%BC%9F%EF%BC%89%E3%80%80%EF%BD%9E%E4%B8%80%E5%9B%9E%E7%9B%AE%EF%BD%9E" target="_blank">&gt;&gt; Next to …</a>]]>
    </description>
    <category>駄文【その他】</category>
    <link>https://tukiamiafter.blog.shinobi.jp/%E9%A7%84%E6%96%87%E3%80%90%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96%E3%80%91/%E3%80%90%E3%81%A9%E3%81%A3%E3%81%90%E3%81%99%EF%BC%81%E3%80%91%E5%A4%8F%E3%81%A0%E7%8C%9B%E6%9A%91%E3%81%A0%E5%A4%8F%E3%83%90%E3%83%86%E3%81%A0%EF%BC%81%20%E5%BF%85%E8%A6%8B%EF%BC%81%20%E5%A4%8F%E5%AF%BE%E7%AD%96%E8%AC%9B%E5%BA%A7%EF%BC%88%EF%BC%9F%EF%BC%89%E3%80%80%EF%BD%9E%E4%B8%80%E5%9B%9E%E7%9B%AE%EF%BD%9E</link>
    <pubDate>Wed, 06 Oct 2010 00:37:08 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>【どっぐす！短編集】ツレヅレ日常風景</title>
    <description>
    <![CDATA[<span style="font-size:150%"><strong>【小話ノ壱】物影に潜むモノ</strong></span><br />
<b>～ 学生区 〝中央地区〟 ／ 『夜空屋』近辺 裏路地 ～</b><br />
<br />
<br />
拒 「……何で私がアンタと並んで『夜空屋』まで行かないといけないワケ？」<br />
<br />
虚 「おっと、言ってくれるね会長。同じ学院から同じ場所に同じタイミングで向かう事になっただけの事だろう？　そんなにピリピリしてたら疲れやしないか」<br />
<br />
拒 「だ・れ・がっっ！　疲れさせてんのよこのミイラ…！！！ さっきからすれ違う女学生を見かける度にハァハァハァハァうっさいわウザいわ本当一発空の彼方の星にするわよ！？（ギリギリギリ）」<br />
<br />
虚 「会長…！　ギブだ！　ギブギブ！　流石に、首は、喉は…！！　息が、息が…！！」<br />
<br />
<br />
<i>サッサッサッサッ……</i><br />
<br />
<br />
拒＆虚「「……？」」（音の方に振り返る二人）<br />
<br />
<br />
<i>サッサッサッサッ……</i>（『夜空屋』側の路地裏にある門の脇で、独りでに動いて掃き掃除をする竹箒という光景）<br />
<br />
<br />
吟人 「………」（そんな竹箒をしゃがみこんでぼーっと眺め続けるという光景）<br />
<br />
拒 「……何アレ」<br />
<br />
虚 「……箒と女の子？」<br />
<br />
拒 「そんな見たまんまの光景をどうこう言ってんじゃないわよ察しなさい！　……とりあえず、何で箒が勝手に動いてるワケ？」<br />
<br />
虚 「い、いや…会長。流石に俺にもそれは分からない。……とりあえずあの女の子が魔術か何かで動かしているんじゃないかと推測するが」<br />
<br />
拒 「わざわざ掃除を魔術でする、っていうのはどーなのよ……」<br />
<br />
虚 「でも神無月【ウチ】でもそういう事をやらかしそうなのが居るじゃないか」<br />
<br />
拒 「……泉美の事？　まあ確かにやりそうではあるわね……でもあの子、悪いけど魔術師っぽくは見えないわよ？」<br />
<br />
虚 「それは俺も同意見なんだがね……というか、アレは何しているのか今ひとつ判断付けがたいものがあるな」<br />
<br />
拒 「遠目からの判断だから曖昧ではあるんでしょうけど……目線が、さっきからずっと箒を追いかけてるわ。見た目通り、箒観察してんじゃない？」<br />
<br />
虚 「……それって楽しいものかね、会長？」<br />
<br />
拒 「私に聞かずとも答えはわかってんじゃない？　少なくとも…私からすると退屈なだけね」<br />
<br />
<br />
<i>……カツンッ</i><br />
<br />
<br />
拒 「ちょ…何してんのよアンタ！？」<br />
<br />
虚 「うっかり小石を蹴ってしまっただけなんだが…と、おぉ？　会長。彼女、気付いた様だぜ」<br />
<br />
<br />
<i>サッサッ……</i>（ピタリ、その場で動きを止める箒）<br />
<br />
<br />
吟人 「……！」（動きを止めた箒から拒達へと視線を移したまま固まる少女）<br />
<br />
拒＆虚「「…。……。………」」<br />
<br />
虚 「…………ゃ、やぁ、こんにちは」<br />
<br />
<br />
<i>――…カランッ</i>（今更のようにその場に転がる竹箒）<br />
<br />
<br />
吟人 「…！ ………（<i>サッサッサッ…</i>）」（転がった竹箒を拾い上げ、今更のように掃除を始める少女）<br />
<br />
虚 「…いや、あの……え？(汗)」<br />
<br />
拒 「もうバレてるわよ…しっかりと……（ため息）」<br />
<br />
セリス 「ウタリー、チリトリ忘れてるよ…ってあれ？　拒ちゃんに虚君。どうしたの？」<br />
<br />
拒 「<b>ちゃん付けすんじゃねーわよ。</b>と言うか、アンタん所の道具って皆あんなのばっかりなワケ？」<br />
<br />
セリス 「あんなの？」<br />
<br />
虚 「勝手に動く竹箒、とかの事を会長はさしてるんだと思うぜ」<br />
<br />
セリス 「あぁ……九十九神化してる道具の事？　結構この店多いみたいだよ。ほら、このチリトリもそうだよ。勝手にゴミを集めてくれるんだ。有難いよね」<br />
<br />
拒 「…有難いよね、ってアンタ…（ため息）」<br />
<br />
虚 「長月会長……流石だな（遠い目）」<br />
<br />
<br />
<hr><br />
<br />
<span style="font-size:150%"><strong>【小話ノ弐】悪乗りマイシスター</strong></span><br />
<b>～ 学生区 ／ 第八学区『葉月学院』学院寮 ～</b><br />
<br />
<br />
<i>ピンポンピンポーン♪</i><br />
<br />
クライ 「（ガチャリ、扉開け）……また来たのかお前」<br />
<br />
ヴィント 「だってー、暇なんだぜ暇なんだぜ。構えよ兄貴ー。てか問答無用で構えー！（ドタバタ、勝手に部屋にあがりこみ）」<br />
<br />
クライ 「……やれやれ（ため息）」<br />
<br />
ヴィント 「兄貴は折角の日曜日に何してたんだちなみに。アレかー？　やっぱ相変わらずオンラインゲーム？　そんなだからオタクって言われるんだぜ」<br />
<br />
クライ 「ちげぇよ！　やってねぇよ今日は！　……俺はこないだの〝合戦〟のデータ纏めてンだよ！」<br />
<br />
ヴィント 「へぇ…あ、ほんとだ。パソコンのディスプレイにワタシが映ってるぜ。おー…こん時は楽しかったなー、地上で暴れ回るってのも悪くないってゆーか？」<br />
<br />
クライ 「お前はいっつもかっつも暴れてるじゃねぇかよドコでだろーと……しっかし、前よりゆっくり眺めれる分気楽で良いなホントに……」<br />
<br />
ヴィント 「ワタシはつまんないケドなー。兄貴に全力全開で挑むのが楽しかったのにさ。ちぇっ」<br />
<br />
クライ 「……それのせいで、お前だけじゃなく俺まで妙に有名になって面倒なンだけどな個人的に言わせてもらえば」<br />
<br />
ヴィント 「イーじゃんイーじゃん。問題無い」<br />
<br />
クライ 「俺には問題大ありだ、っつの！　……にしても……」<br />
<br />
ヴィント 「…？？」<br />
<br />
<br />
録画映像『ヴィント「来ないんなら、アタシからガンガン行かせてもらうぜ！全力全開、命知らずから前に出なぁッ！！」』<br />
<br />
<br />
ヴィント 「おっ。これ、師走の奴ら吹っ飛ばした時のヤツじゃん。イイ感じに映ってるな」<br />
<br />
クライ 「感想はそれだけかよ……ってか、ヴィント」<br />
<br />
ヴィント 「？　何だ？　改まって真面目な顔して」<br />
<br />
クライ 「こうやって見ていて常々思うンだがよ。……お前は魔砲少女なンだよな？」<br />
<br />
ヴィント 「そうだな。間違って無いとは思うぜ。だって魔法ってより魔砲だからなワタシの攻撃は」<br />
<br />
クライ 「ソコはまぁ良いとして…だ。お前は魔砲〝少女〟なら魔砲〝少女〟らしく、ちったぁ可愛げのある行動とれよ！　見ろよこの動画！　まるで男じゃねぇかよ口上とか！」<br />
<br />
ヴィント 「ぇー……だってワタシは素がこんなだし？　しかたねーじゃん」<br />
<br />
クライ 「じっちゃんの悪い影響受けまくっただけだろうが！？　その口調とかモロにじっちゃんのだろ！　ったく、何であンな性悪ジジイの口調を真似るかなお前は……（ため息）」<br />
<br />
ヴィント 「…。……。………」<br />
<br />
クライ 「……ヴィント？」<br />
<br />
ヴィント 「<i>マジカル・ラジカル・リーインカーネイション☆</i>　偉大なりし古竜の魂よ！　天空【ソラ】を駆け、風に舞い、戦場切り裂く我が片翼と成らん！　……龍帝【ドラグーン】、封印解除【レリーズ】っ！（それっぽいポージングと共に）」<br />
<br />
クライ 「……」<br />
<br />
ヴィント 「…こんな感じでどーだ？」<br />
<br />
クライ 「……いや、あの、俺はもちっと年頃の女の子らしい行動を求めただけで…<strong>〝魔女っ娘〟らしさを求めた覚えはねぇンだが</strong>」<br />
<br />
ヴィント 「…あ？　そーなのか？」<br />
<br />
クライ 「しかも何だ…何か悔しいぐらいにノリノリで…ハマってやがったし……（ギリギリ。悔しげに録画画像眺め）」<br />
<br />
ヴィント 「それに効果音とかBGMとかSFXとか追加してみろよ兄貴」<br />
<br />
クライ 「……ヘンな魔砲少女モノ特撮番組のワンシーンになりそうでマジ勘弁」<br />
<br />
ヴィント 「ってか何時の間に録画してたんだよ…」<br />
<br />
クライ 「……妙なモノ見かけたらつい保存しちまう習性って…あるだろ？」<br />
<br />
ヴィント 「<strong>ねぇよ</strong>（龍帝で殴り）」<br />
<br />
<br />
<hr><br />
<br />
<span style="font-size:150%"><strong>【小話ノ参】電話のカミサマ</strong></span><br />
<br />
<b>～ 『夜空屋』居住区画 ／ ダイニングキッチンにて ～</b><br />
<br />
<br />
セリス 「ねぇルカさん」<br />
<br />
ルカ 「はい？　何でしょう？」<br />
<br />
セリス 「この壁に掛かってる大きな物体は……電話、だよね？」<br />
<br />
ルカ 「えぇそうですよ。デルビル式電話機という奴でしてね…随分昔に使われていたタイプの物です。これが、如何かしましたか？」<br />
<br />
セリス 「うん、ちょっと使い方が分らなくて……カウンター内側にある黒電話の方は、ダイヤルを回して回して…っていうのは分かっているから良いのだけれど」<br />
<br />
ルカ 「成程。確かにこのタイプの電話機は絶滅していますからねぇ。知らないのも当然でしょう。とはいえ、使い方はとても簡単なんですよ？」<br />
<br />
セリス 「そうなの？　でも、この電話機には電話番号を打ち込む様なボタンも、黒電話みたいなダイヤルも無いんだけど……それでも目的の相手にかける事が出来るの？」<br />
<br />
ルカ 「えぇ出来ます。ちょっと実演してみましょうか」<br />
<br />
セリス 「ぇ、ぁ、わざわざすいません」<br />
<br />
ルカ 「いえ、良いんですよ。使い慣れたほうが貴方にとっても幸いでしょうから」<br />
<br />
セリス 「？？？」<br />
<br />
<br />
<br />
<b>～ 『夜空屋』店舗区画 ～</b><br />
<br />
<br />
<br />
ルカ 「では実演といきましょうか。今回は私が適当にかけますね」<br />
<br />
セリス 「……良いのかなぁ…相手がビックリするんじゃ……」<br />
<br />
ルカ 「大丈夫ですよ。<strong>とっっっっっっっっても</strong>暇をしてらっしゃる面白い事好きな方ですから。きっと喜んで実験台になってくれます（にこり）」<br />
<br />
セリス （……不安だなぁ……）<br />
<br />
ルカ 「さて、左側面に付いている受話器を取ります。これは通信先からの声を聞く方ですので口元に宛がっても意味はありませんので要注意です」<br />
<br />
セリス 「じゃあ、こっちの声はどうやって…？」<br />
<br />
ルカ 「此方の声は、本体に取り付けられたラッパ状の送話器に発してやると相手に届きます。あまり離れると相手に聞こえないので気を付けて下さい。…ではこの右側面の手回しクランクが見えますか？」<br />
<br />
セリス 「ぁ、はい。この小振りなハンドルだよね」<br />
<br />
ルカ 「えぇそれです。次に、これをグルグルと回します（ぐるぐるぐるぐる）」<br />
<br />
セリス 「……もうこの時点で相手と繋がるんですか？」<br />
<br />
ルカ 「いいえ。相手からかかって来た場合はもう繋がってるんですけれどね。此方からかける場合はもうひと手間あるんですよ（受話器を耳に宛て）」<br />
<br />
セリス 「もうひと手間…？」<br />
<br />
ルカ 「まぁ、見ていなさい。（送話器に顔を寄せ）……もしもし。えぇ、久し振りの利用になりますね。お元気になさっていますか？　見ての通り？　ふふ、そうですね。それなりに綺麗に扱っていますから。……おっと、そうでした。あのふざけた〝切り札〟の所へ繋いでもらえますか？　少々此方は用事をしながらなので、ゆっくりで構いませんから。えぇ、宜しくお願いしますね。では（受話器を戻し）」<br />
<br />
セリス 「……る、ルカさん？」<br />
<br />
ルカ 「？　どうしました」<br />
<br />
セリス 「繋がって無いのに誰と話してたんですか？　しかも、受話器を戻しちゃって…」<br />
<br />
ルカ 「話相手は交換手さんとですよ。久々でしたからついつい。まぁ、目的の場所と繋がったらベルが鳴りますから大丈夫です」<br />
<br />
セリス 「？？？」<br />
<br />
ルカ 「今では自由自在に番号を打ち込めば繋がる電話が基本ですけれどね。昔はそうでもなかったんですよ。こうやって、誰に繋ぎたいのかを電話交換手と呼ばれる方に伝え、配線を繋いでもらう必要があったんです」<br />
<br />
セリス 「……それって、今でもやってる事なの？」<br />
<br />
ルカ 「いいえ。もうとっくの昔に日本は電話の交換は完全自動化していますよ。確か…そう、昭和54年頃でしたかね。まぁ実は交換手を介してかける事も不可能ではありませんが、少なくともこの電話からは無理ですねぇ」<br />
<br />
<br />
<i>ジリリリリリン</i><br />
<br />
<br />
ルカ 「おや、無事に繋がったようですね。と言う訳でさっそく…。（がちゃり）もしもし、起きてらっしゃいますか？　〝切り札〟さん」<br />
<br />
？？？『……ァンハ…チミにそう呼ばわれると不吉な気配しかしない・ッてェ知ってましたミスター？』<br />
<br />
ルカ 「おや、それは初耳ですねぇ。しかし貴方を呼ぶにはこれ程似合う呼称も無いと思ったのですが。実際、トランプのこのカードはゲームによっては切り札たりえるワケですし？　常日頃、名で呼ぶな……と文句を仰るので私なりに愚考したまでですが。――…それとも貴方の〝役職名〟でお呼びした方がよろしかったですか？」<br />
<br />
？？？ 『…。……。………イイっスよ。呼べばイイっスよ。役職で呼ばれる方が後々問題・ってね。――ン・で、一体何の用なンすか？　オタクから俺にワザワザお電話【CALL】トカ、珍しいにもホドがある……・ってェか、チミ、一体ドコからかけて来てるンすか？　ココのシステムで逆探出来ネェとか何それコワイ』<br />
<br />
ルカ 「はっはっは……いいえ、実は特に理由はありません。ただ、家の電話で通話する実演を預かっている友人の息子さんに見せたかっただけですから。その為だけに、ちょっと電話をしてみたにすぎませんよ、〝JOKER〟さん」<br />
<br />
JOKER 『………ハァ！？』<br />
<br />
ルカ 「では、無事実演も出来ましたし失礼しまーす♪（にっこり）」<br />
<br />
JOKER 『ちょ…チミh――…』<br />
<br />
<br />
<i>ガチャン</i><br />
<br />
<br />
セリス 「………ルカさん。切って良かったの？　何だかJOKERさん引きとめてなかった…？」<br />
<br />
ルカ 「良いんですよ。どうせ耳に痛い奇声を上げて文句を言われるだけですから。聴くのも面倒です」<br />
<br />
セリス （……可哀そうに……）<br />
<br />
ルカ 「まぁこんな感じです。使い方は分かりましたか？」<br />
<br />
セリス 「うん、まぁ……あ、ちなみにさっき話してた交換手さんって…結局誰だったの？」<br />
<br />
ルカ 「誰でもありませんよ。この電話から繋がる交換手など、本来は存在しないのですから」<br />
<br />
セリス 「じゃあ…もしかして……」<br />
<br />
ルカ 「御察しの通り。少なくとも、マトモな存在ではありませんね（にこ）」<br />
<br />
セリス 「……そういえばこの電話、良く見たら電源も電話線も出て無いような……」<br />
<br />
ルカ 「無くても動くし繋がる不思議な不思議な電話なんですよ。長い年月を大事に使われていて化けた結果ですね（にこにこ）」<br />
<br />
セリス 「……もしかして、<strong>〝九十九神【ツクモガミ】〟化してますか？</strong>」<br />
<br />
ルカ 「えぇ。今頃気づいたんですか？」<br />
<br />
セリス 「何だかそんな気配はしてたんだけど…確証が無かったから。やっぱりそうだったんだ…道理で妙にこの家、電話が安く済んでる筈だよね……」<br />
<br />
ルカ 「電話代節約に大活躍ですからね。隣の家は勿論、海外や異界にだって繋ごうと思えば可能ですからね。有難いものです。そういう訳ですので、この電話は大切に磨いて使ってやって下さい」<br />
<br />
セリス 「はい、了解です(苦笑い)」<br />
<br />
<br />
<br /><a href="https://tukiamiafter.blog.shinobi.jp/%E9%A7%84%E6%96%87%E3%80%90%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96%E3%80%91/%E3%80%90%E3%81%A9%E3%81%A3%E3%81%90%E3%81%99%EF%BC%81%E7%9F%AD%E7%B7%A8%E9%9B%86%E3%80%91%E3%83%84%E3%83%AC%E3%83%85%E3%83%AC%E6%97%A5%E5%B8%B8%E9%A2%A8%E6%99%AF" target="_blank">&gt;&gt; Next to …</a>]]>
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    <category>駄文【その他】</category>
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    <pubDate>Sat, 11 Sep 2010 04:14:56 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">tukiamiafter.blog.shinobi.jp://entry/27</guid>
  </item>
    <item>
    <title>【どっぐす！】とある兄妹の休日風景（ゲームプレイング）</title>
    <description>
    <![CDATA[ヴィント「（<i>ピーンポーン♪</i>）兄貴ー、ゲームしようぜゲームだゲームだゲームゲーム！！（<i>ピンポンピンポンピーンポーン♪</i>）」<br />
<br />
クライ「（ガチャリ、扉開け）………またかよ。お前先週散々負けたのにまた来るとか、ちょっとは懲りろよ。てか懲りて下さいお願いします俺の命がマッハで危ない」<br />
<br />
ヴィント「ふっふっふー……ワタシの辞書に『懲りる』という文字は無いんだぜ！」<br />
<br />
クライ「それ、決して誇れンだろ…もっとこう、……ああもう良いや入れ入れ」<br />
<br />
ヴィント「おっじゃまするぜー（どたたたた）」<br />
<br />
クライ「………はぁ（ため息）」<br />
<br />
<br />
<br />
クライ「……で、今日は何やるンだ」<br />
<br />
ヴィント「これこれ。友達（ダチ）が貸してくれたんだ。新作の格ゲーらしいぜ」<br />
<br />
クライ「格闘ゲームねぇ……ぁー…救命戦隊レスキューレンジャーズの新作か。最近人気だなコレ…（説明書読み込み中）」<br />
<br />
ヴィント「らしいな！　ワタシは良く分かんないが、面白いって話だしやってみよーぜ」<br />
<br />
クライ「成る程、ま、だいたい分かった。……って、さっそくコントローラー握ってるがお前分かってンのか操作方法とか？」<br />
<br />
ヴィント「？　知らないぜ？　でもまあ、やればだいたい何とかなるぜ。きっと」<br />
<br />
クライ「…。……。………」<br />
<br />
ヴィント「何はともあれ、早速起動するぜ！（スイッチオン！）」<br />
<br />
<br />
<i>『♪～　救命戦隊レスキューレンジャーズ　バトルレボリューションッ！（起動画面BGM＆台詞）』</i><br />
<br />
<br />
ヴィント「さってとー…ワタシは誰でやろうかな。強そうな奴が良いなー…（ポチポチ）」<br />
<br />
クライ「………。（俺はまあ、適当に選ぶかなぁ…さてさて）」<br />
<br />
ヴィント「…よし、『スミス』、お前に決めた！（ポチッと）…兄貴はー？」<br />
<br />
クライ「ぁ？　俺？　……ンー…この『リン女医』ってのにしとくかな。テクニカルな感じが俺好みな仕様だし」<br />
<br />
ヴィント「ふぅん……んじゃ、後はー…戦場は『医療ギルド中央廊下』…二本先取制で時間無制限…っと（ポチポチ）」<br />
<br />
クライ「準備出来たかー…？」<br />
<br />
ヴィント「おっけーだぜ！　それじゃ、試合開始ー！」<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<strong>～　数十分後　～</strong><br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
ヴィント「！　…！　……！？　…！（声にならない気迫というか何かと同時に操作。コマンドなんて気にしないガチャガチャ連打戦法）」<br />
<br />
クライ「………。（初プレイにも関わらず、正確無比なコマンド打ち込みによるコンボからの派生ハメ技…を使いたいが使うと煩いので、技を小出しに堅実な戦法）」<br />
<br />
<br />
<i>『――…勝者、リン女医！！（ファンファーレ）』</i>（十連勝目）<br />
<br />
<br />
ヴィント<strong>「あ゛あ゛ぁぁー！？」</strong><br />
<br />
クライ「……俺の勝ち、と」<br />
<br />
ヴィント「ズルいぜズルいんだぜ何か絶対『能力』使っただろ兄貴ー！？」<br />
<br />
クライ「使わねーよ！？　だいたい、オンゲ（オンラインゲームの略）ならまだしも、こういう据え置きハードのゲームに対して俺はそういう能力とか使わねーの！　そういうポリシー持ってやってンだよ！　それに、説明書もろくに読まずガチャガチャやって勝てるわけねーだろーがよ！？」<br />
<br />
ヴィント「うぐぐ……ま、まだまだっ！　勝負はまだ終わってないぜ！！」<br />
<br />
クライ「…聞いてねーし……ったく、やりゃ良いンだろやりゃあ……（はぁ）」<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<strong>～　更に数十分後　～</strong><br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<i>『――…勝者、リン女医！！（ファンファーレ）』</i>（数十連勝中）<br />
<br />
ヴィント「…」<br />
<br />
クライ「あのな。キャラをどれだけ変えても技出せなかったら負けるの当たり前だろうが」<br />
<br />
ヴィント「………」<br />
<br />
クライ「……だから、何度も説明書読めよって言ってるだろ？　そしたら勝てるかもだぞ」<br />
<br />
ヴィント「………………」<br />
<br />
クライ「ハンデは付けまくりな上で勝てないのは、もうソレしかないだろ。せめて手加減してやろうかって言えば、それは嫌だとかいうし…」<br />
<br />
ヴィント「………………………、…なんか…（ぼそっ）」<br />
<br />
クライ「…おい？　……ヴィント？」<br />
<br />
ヴィント「…………兄貴、なんか…………っ」<br />
<br />
クライ「！？（ヤベッ！？）」<br />
<br />
ヴィント<strong>「大っっっっっっっっっ嫌いだぁぁぁぁあああああああああああ！！！」</strong><br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<strong>～　場所を移して、『夜空屋』にて　～</strong><br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
ルカ「……はぁ、成る程。そういう顛末でこちらに」<br />
<br />
ヴィント「そーなんだよ！　まったく、兄貴ったら酷いぜ！！（ぷんすか）」<br />
<br />
セリス「ヴィントちゃん、お待たせ！　はい、どうぞ。ご所望の『白アザラシ君（フルーツ＆秘伝のシロップ入りかき氷）』だよ」<br />
<br />
ヴィント「サンキュー♪　このかき氷、セリスが居る時にしか食えないのが勿体無いぐらい美味いよなー（かき氷もぐもぐ）」<br />
<br />
ルカ「まぁ、甘味担当ですからねセリスさんは。仕方がないですよ」<br />
<br />
ヴィント「そーゆーもんか。あ、代金払っとく。300円だっけ」<br />
<br />
ルカ「はい、毎度ありがとうございます」<br />
<br />
ヴィント「あああキーンってきたキーンって！　…でも美味いから許す！　この夏もこの『白アザラシ君』には世話になりそうだぜー…（満足げ）」<br />
<br />
ルカ「やれやれ…。しかしクライさんも災難ですねぇ……結局、部屋の窓から強制的に外に放り出された（注:二階）挙句、攻性魔術を叩き込まれたそうですし。生きては居るんでしょうが（こそこそ）」<br />
<br />
セリス「……まぁ、大丈夫だよルカさん。喧嘩するほど仲が良いってことわざが日本にはあるし（こそこそ）」<br />
<br />
ルカ「それ、フォローになるんでしょうかねぇ…」<br />
<br />
<br /><a href="https://tukiamiafter.blog.shinobi.jp/%E9%A7%84%E6%96%87%E3%80%90%E3%81%9D%E3%81%AE%E4%BB%96%E3%80%91/%E3%80%90%E3%81%A9%E3%81%A3%E3%81%90%E3%81%99%EF%BC%81%E3%80%91%E3%81%A8%E3%81%82%E3%82%8B%E5%85%84%E5%A6%B9%E3%81%AE%E4%BC%91%E6%97%A5%E9%A2%A8%E6%99%AF%EF%BC%88%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%EF%BC%89" target="_blank">&gt;&gt; Next to …</a>]]>
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    <category>駄文【その他】</category>
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    <pubDate>Tue, 24 Aug 2010 04:42:33 GMT</pubDate>
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    <item>
    <title>『夜空屋』店主の日常　～長月探訪 / 出発～</title>
    <description>
    <![CDATA[　書斎の机の上のペーパーナイフを手にとった。封を切る。取り出した数枚の紙片からは、とても懐かしい香を感じた。<br />
　例えて言うならば、柔らかい陽射しの下で干したシーツの、あの何とも言えない安心出来る様な匂い。太陽の香。微かな、常人ならば気付く事も無いだろうそれに、ルカは柔らかく微笑んだ。もしもその顔を誰かが見ていれば驚いた事だろう。普段の胡散臭げな雰囲気が微塵も感じられない、そんな微笑だったのだ。<br />
<br />
<br />
「十年と……どれくらい振りですかね。彼女からの手紙は」<br />
<br />
<br />
　まさか、自ら過去に想いを馳せる事になろうとは。昔の刹那的に生きていた自分が聞いたらきっと驚く事だろう。そんなくだらない事を考えながら思い出すのは、今より少し賑やかで騒がしく面倒事に色々と巻き込まれたがしかし退屈だけはする事の無かった頃の事だ。<br />
　あの頃関わりの深かったやたら馬鹿な知人と聡明な友人の二名は、共に居た時が多かったものだが時に彼らの職業の関係上、自由に旅を続けていたルカと違って遠く離れた地に行かなければならない事も少なくは無かった。そういう際は「今はどこどこに居る」だの「こんな事をしている」だのといった近況を知らせ合う程度の手紙を交わしあったものである。<br />
　ちなみに、馬鹿な方の知人は英文が壊滅的に汚い（まるでのたくりまわるミミズ、或はもがくハリガネムシの様だった）のでだいたいは聡明な方の友人が書いて寄越すのが基本だった。<br />
<br />
　その頃と変わらぬ筆跡を指でなぞる。<br />
　きっと長く見ていない彼等は、多くの変化を迎えすっかり変わってしまっている事だろう。今もし会う機会があれば、心底驚ける自信がルカにはあった。十年以上の年月はそれだけ重いものがある。しかし変わるものだけではない。どれだけ経とうと、こうやって変わらないものもあるのだ。それはきっと喜ばしい事なのだろう。長らくを生きているからこそ余計にそう思うのかもしれないが。<br />
<br />
<br />
「さて……それにしても、一体何が書いてあるんですかね？」<br />
<br />
<br />
　既にだいたいの話は、蒼や龍からは聞いてしまっている。手紙の内容は、更なる要望なのかそれともただの挨拶か何かなのか。指先で眼鏡の位置など直しつつ、ルカは文面へと視線を落とした。<br />
<br />
<br />
<br />
<div style="text-align:center">※　※　※</div><br />
<br />
<br />
<br />
「おはようございます、ルカさん。…すいません、救急箱ってドコにありますか？」<br />
<br />
「……は？　救急箱、ですか？」<br />
<br />
<br />
　挨拶は良いとしても、朝の第一声としてはあまり相応しい内容では無い発言に、朝食の味噌汁を作っていた真っ最中のルカは挨拶を返すのも忘れて怪訝げに眉を寄せた。昨日からこの『夜空屋』での下宿生活をスタートさせたばかりの少年は、至極真面目な顔をして頷いている。その姿を頭の天辺から爪先までまじまじと眺めてはみるが、怪我らしきものは無さそうに見えた。<br />
<br />
<br />
「確か…テレビ脇の棚の上にあった筈ですが。………どうしてまた、そんなものを？」<br />
<br />
「あぁ、えっと…その……」<br />
<br />
<br />
　問いに暫し逡巡する様子を見せたセリスは、迷うだけ迷った上で覚悟を決めたのか。モゴモゴと口ごもりながらも、背後に隠していた何かを取り出して見せる。<br />
<br />
　それは鼬によく似ていた。<br />
　スラリとした鼻先が尖った顔に小さな耳と円らな瞳、しなやかで細長い胴体、長くふさふさした尻尾、狐よりは多少濃い茶の毛並み。しかし、その短い後ろ足に反して前足はバランスが悪く見えるほどに長かった。その大半はまるで鎌の様にしなっていて、その鋭い刃先は容易く肉くらいは切り裂くだろう鋭利な輝きを宿している。如何見ても普通の野生動物などではない、それは明らかな異形の獣の姿だ。<br />
<br />
<br />
「…この子が、僕の部屋のベランダの隅っこでうずくまってたのをさっき見つけて…。怪我をしているみたいだったから、ちょっと手当出来たらな……って」<br />
<br />
「妖怪の怪我の手当て…ですか？　貴方もなかなか物好きですね」<br />
<br />
<br />
　捨て犬を拾ってきて飼っていいかと親の顔を窺う子供みたいな表情で、不安げに聞いてくる様子に苦笑する。本当に物好きなものだ。普通ならば、明らかに普通の生物では無いその姿にもっと警戒をするべきだろうに。こういう所は血筋なのだろうか…と同じ様に良く魔物を拾ってきていた少年の両親の事を思い出しつつ、鍋を火から降ろした後で棚へと歩み寄り救急箱を取り出し踵を返す。そこで、その妖かしの姿を見てふと気付いた。<br />
<br />
<br />
（…何だか見覚えがあると思ったら、昨日の雑魚ですか…）<br />
<br />
<br />
　良く見れば、それは昨日の深夜頃に縁側に腰掛け一服していた自分へと襲い掛かって来たがあっさりと撃退してしまった小さな妖怪だった。<br />
　身体のあちこちの毛並みが乱れ、前足の鎌の一部は妙な力のかけ方をされたかの様に曲がり痛々しい姿を晒している。昨夜自分が地面に叩き付け踏みつけたダメージはその小さな体には予想以上に大きかったのだろうか、遠くへ逃げる体力も無かったのかもしれない。鼬もどきを机の上に降ろせば救急箱を受け取った少年が消毒薬やらを取り出す姿を眺めていると、向こうもルカに気付いたらしい。怯えた様な悲鳴を上げると、威嚇なのか全身の毛を逆立てる姿には肩をすくめた。<br />
　別段とって喰うつもりは無いのだが…まあ、それを言った所で理解出来るとは思えないので何も言う気は無い。<br />
<br />
<br />
「ねぇ、ルカさん……イギリスではこんな魔物は見た事が無かったんだけれど。何ていう生き物なの？」<br />
<br />
<br />
　消毒薬と包帯を取り出したセリスが首を傾げる。<br />
　鼬自体は見た事があるのだけれど…と続ける様子にどう説明した物かと暫し迷った後、ルカはまだ開店前の店へと足を運んだ。古本の棚が並ぶ一角まで来れば、売り物の一冊を手に取る。それは今時珍しい和綴じの本だった。古びた紙独特の香りがその年季を主張している。長く誰にも手に取られる事がなく薄く積っていた埃を手で払いながら台所へと戻れば、ちょうど妖かしとセリスが取っ組み合い（に近い何か）をしている所だった。<br />
<br />
　あっこら逃げちゃ駄目だってばそりゃ痛いのはわかるけれど染みるのは薬だからだし怪我にはきっと効く筈だから我慢の子で居てほしいってうわわわわそこはダメお鍋と包丁で危ない危ない危ない……という感じで見ているだけでも随分と騒がしい。思わず、何をしているんですか…と呆れ混じりに突っ込めば、ようやっと此方に気付いたらしい妖かしがビクリと動きを止めた隙を付いてその小さな身体を押さえ込むセリス。無駄に手際は良い。どうもこういうシチュエーションには慣れている様に見える。<br />
　そんな騒動を横にキッチンテーブルの横にある椅子の一つを引き寄せれば、腰掛けつつ和綴じの本を開いた。<br />
<br />
<br />
「これ、ですね……」<br />
<br />
<br />
　開いて見せたページには、手書きの『窮奇』という文字に『かまいたち』とルビが振ってある。その横には風を巻きその場で回転しているかのような鼬に似た獣の姿が描かれていた。その絵と今テーブルの上で抗議の声をあげている獣を見比べるセリス。<br />
<br />
<br />
「かまいたち……って言うの？」<br />
<br />
「えぇ。基本的に、そう認識されている妖かしの一種ですね。少なくとも江戸の頃から名を知られる一般的な妖怪という奴です。つむじ風に乗って現れ、この鎌状の爪で切り付け切り傷を与えるが痛みが無い…という言い伝えと共に日本では一般人にも割とポピュラーな存在ですよ」<br />
<br />
「イギリスには居ないの？」<br />
<br />
「其方の方ではそう言った風と共に謎の切り傷が出来る…といった話は聞きませんからねぇ。居ないのでは無いかと思いますよ」<br />
<br />
「ふぅん。かまいたち……鎌のような手をした鼬だから鎌鼬って事なのかな。…へぇ……面白いね、君」<br />
<br />
<br />
　もがく相手にも躊躇することなく怪我を消毒し、包帯を巻き、一部の怪我には割り箸で固定までして処置を終えたらしい少年はというと、ぐったりと暴れ疲れた患者をまるで犬の子を抱き上げる様な感じでひょいと抱え上げている所だった。さらに、きっとお腹を減らしてるよねルカさん何か食べさせていいですか…などとのたまい始める様子には流石に苦笑するしかない。<br />
<br />
<br />
「好きになさい」<br />
<br />
<br />
　ルカが再びキッチンに立ち朝食の準備を再開しながら投げた言葉に、鎌鼬が勝手な事を言うなと言わんばかりの抗議の鳴き声を上げていたが聞かなかった事にしておいた。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
　朝食を終え、片付けも終え、食後の珈琲など飲みながら時計を見ればそろそろ九時も近い頃合いとなっていた。<br />
<br />
　自分と同じく椅子に腰かけこちらはホットミルクティを飲んでいるセリスはというと、テーブルの上に置いた皿で温めたミルクを妖かしに与えていたりする。その様子は治療した直後からすると随分と大人しく、ミルクを舐めている所で時折背を撫でられていても暴れだす気配は無いようだった。あまり頭は良く無いながらに、この少年は自分を害するものではないと判断したのかもしれない。<br />
　そんな一人と一匹を眺めながら、さてどうしようかと思案する。今日は月曜日だ。もう少ししたら長月学院の方に赴いて必要な書類の提出やら何やらの編入学処理をしに行くべきだろう。別に今日でなくても構わないといえば構わないが、早めにしておけば後々面倒が無くて助かる。<br />
<br />
<br />
「セリスさん」<br />
<br />
「はい…？　何ですか？」<br />
<br />
「御両親から預かっているだろう各種書類を用意しておいて下さい。後は、必要物品を揃える為の資金も。この店で揃えれる物ならば構わないのですが、もし無いものがあったらいけませんから」<br />
<br />
「あ、もしかして……」<br />
<br />
「えぇ」<br />
<br />
<br />
　ルカは珈琲を飲み干せば、食器の片付けに立ち上がりつつセリスへとにこりと微笑んだ。<br />
<br />
<br />
「貴方がこれから数年間通う事になる〝場所〟へ、準備を整え次第向かいますので…ね」<br />
<br />
<br />
<br />
<div style="text-align:center">※　※　※</div><br />
<br />
<br />
――20XX年3月某日 9:23　<ruby>学生区<rt>スチューデンツ・クォーターラウンド</ruby>〝<ruby>中央地区<rt>セントラルエリア</ruby>〟 / 〝戌亥メトロ〟終点・『中央地区駅』付近――<br><br />
<br />
<br />
<br />
「昨日もびっくりしたけど、この辺りはやっぱり凄い賑やかだね」<br />
<br />
「まあ、この人工島の一番中心にあたる街ですからねぇ……交通の拠点でもある分、人の往来も多いですから。そういった方々を狙った店が沢山あるんですよ。……ま、私には此処は騒がしすぎて少々裏通りに店を構える事を決めた訳ですが」<br />
<br />
<br />
　物珍しげに近未来的な所も見える街並みを見回す少年を横目に、ルカは肩を竦めて見せた。<br />
　戸に『骨休め』の札をかけ、急遽作成した「暫く留守にします。帰宅は昼過ぎ予定ですが予定は未定です。あしからず。　――『夜空屋』店主」とだけ書いてある貼り紙をその横に無造作に貼り付けて、店を二人が出発したのは五分ほど前の事だ。戌亥ポートアイランドで最も賑わう場所と言っても過言ではない中央地区でも中央通りから多少離れた場所にある『夜空屋』から、徒歩で中央地区の街中へと歩を踏み入れた所である。<br />
　彼らの目指すものは俗に〝戌亥メトロ〟と呼ばれる次世代型磁気浮上式鉄道リニアモーターカー、その路線網の中心に位置する『中央地区駅』だ。この駅からは長月学院へ直通の便があるのでそれに乗るつもりなのである。上空から見れば円盤状であるこの人工島の至る所を走る地下鉄として愛用される〝戌亥メトロ〟は、島暮らしの住人達の主要な公共交通手段の一つだ。免許はあるが維持が面倒なので乗らない、と自家用車を所持していない理由を語るルカが外に赴く際に最も利用する事の多い乗り物がこれである。<br />
<br />
　まあ最も、まずルカが外出する事自体がなかなかレアな光景だったりする訳で、その証拠に「えっ着物！？」「外人がガチの和装姿！？」「コスプレ…？」「てかアレ『夜空屋』の店主じゃね！？」「おい店からこんな離れた場所にいるとか何の天変地異だ！？」「明日の天気宣言見てみろ嵐とか出てないか！？」などといった感じに周囲の者達がざわめいていたりするのだが。<br />
<br />
<br />
「はい、長月学院行きの切符ですよ。セリスさん」<br />
<br />
「ぁ、ありがとうございます」<br />
<br />
「本当ならば定期券でも買うべきかもしれませんが……」<br />
<br />
「うーん…でも通学が始まるのは四月からだよ。その直前にまた買いにくれば良いかなとは思うけど」<br />
<br />
「それもそうですね…ではそうしましょうか」<br />
<br />
<br />
　ざわめく周囲を余所に辿り着いた駅構内は券売機で乗車券を購入すると、二人は連れたって地下鉄へと乗り込んだ。本土より数段進んだ技術で生み出された乗り物ではあるが、その内装もまた近未来的になる…とまでは行かないのが現状だ。普通に乗り込み口上側などに行き先や現在の停車駅を示す液晶画面があったり、天井では有名人がポーズをとっている写真付きの中吊り広告が車内空調の風に吹かれていたり、良くある丸い吊革がブラブラと揺れていたりする。<br />
　数少ない違いの一つは、先頭車両の運転席付近の壁に設置された小型ATM程のターミナル端末の存在かもしれない。普段は戌亥ポートアイランドの地図や路線やお勧め観光スポットの検索などといった各種情報を得る為に使われるらしいソレを眺めるセリスに、「その機械は月一で行われる学院間模擬戦争〝合戦〟においてはこの車両の運行指令を入力出来る様になっていたりするんですよ」と説明してやるとそれはそれは不思議なものを目の前にした様な表情でおっかなびっくり弄っていたりした。<br />
<br />
<br />
「……父さんが『日本の技術力は世界一ィィイイイ！』とか言って叫んでたのはこういう事だったのかなぁ」<br />
<br />
「セリスさん。一応言っておきますが、この高い技術力はまだ戌亥ポートアイランド内だけに限られたものですからね。勘違いしない様に」<br />
<br />
「そ、そうなんだ…」<br />
<br />
「それにしても…その妖かし。連れて来て良かったんですか？」<br />
<br />
<br />
　ちらりと少年の首元を見れば、そこには先程まで強引な治療を受けていたあの鎌鼬がまるで借りてきた猫の様に大人しく巻き付いている所だった。包帯を巻かれた鎌や時折身じろぎする事はあるとはいえ、そうやってじっとしているとまるで毛皮で作ったマフラーの様にすら見える。というか多分一緒にこの地下鉄に乗っている者達は、十中八九ソレをマフラーとしか見ていないだろう。きっと。<br />
　一応召喚術という人外の存在を喚び出す者達やその存在自体が人外の系譜に連なる、なんていう人材がゴロゴロ転がっている島の地下鉄である。ペットならぬ召喚獣やら何やらを連れての乗車は特に禁止されていないとはいえ、主従の契約すら交わしていないただの野生の妖怪を連れ込むのはどうなのだろうか。そんな思いも含んだ視線に気付いたのか、セリスは困った様に笑えば小さく小首を傾げる。<br />
<br />
<br />
「あはは……本当は部屋で安静にしておいて欲しいから寝かせておこうかと思ったんだけど、不安なのかな…離れてくれなくて。でもまあ、ほら、こんなに大人しいしさ。別に暴れたりする訳じゃないし大丈夫かなぁ…って」<br />
<br />
「やれやれ……仕方が無い子ですねぇ。まぁ、目的地が目的地ですから妖怪同伴でも問題は無いでしょうが。多分」<br />
<br />
<i>＜――…戌亥メトロの御利用、ありがとうございます。次の停車駅は、終点『長月学院前』。『長月学院前』。お忘れ物の無い様にお気を付け下さい＞</i><br />
<br />
<br />
　そんな微笑ましい（？）雑談をこそこそと交わしている間に地下鉄は淀みなく運行していたらしく、車内放送が停車駅の名を告げる。長月学院直通の急行便は途中に一度も駅に止まる事が無い。十分も経たぬ内に目的地へと到達してしまった事にやはりこれまた驚くセリスに苦笑する。この程度で驚いていてはこの島中を巡って歩いた日には驚きすぎて疲労困憊してしまうんじゃなかろうか。<br />
　とはいえ、彼曰くイギリス暮らしとはいえ実家はあまり街近くでは無くそれなりに田舎の方にあるとかで、そんなのどかな地方で生まれ育ったのだというのならば人も多い車も多い都会的に過ぎる様なこの戌亥ポートアイランドという土地は刺激が少々強い場所なのかも知れない。<br />
<br />
<br />
（何と言っても、色々と規格外な土地ですからねぇ……ココは）<br />
<br />
<br />
　ともあれ、ルカはセリスを伴い駅へと降り立てば改札を潜った。<br />
　駅舎を出れば目的地はもう直ぐ側で、それこそ歩いて五分もかからない。何と言っても駅の目と鼻の先といっても良いぐらいの位置に既に正門があったりするのだ。<br />
<br />
<br />
「……うわぁ…で、でっかい…広い……っ！」<br />
<br />
<br />
　内心での感想だけでは収まらなかったのだろう。<br />
　後ろを歩く少年が思わずこぼしたらしき感嘆と驚愕交じりの呟きにルカは振り返る。<br />
<br />
<br />
「さぁ、セリスさん。此処が、貴方がこれから数年間通う事となる学び舎――…〝<ruby>古今異形交渉班<rt>フリークス・フリーク</ruby>〟長月学院ですよ」<br />
<br />
<br />
　言って、ルカが指し示すその向こう側。<br />
　広大な敷地面積を持ち、戌亥ポートアイランドに十二校存在する小中高大一貫校の一つでもある『長月学院』その校舎が、春先の柔らかい朝の日差しを受けながら自らの威容を誇るかの様に聳え立っていたのだった。<br />
<br />
<br />
<div style="text-align:right">>>To be continued…</div><br />
<br />
<br /><a href="https://tukiamiafter.blog.shinobi.jp/%E9%A7%84%E6%96%87%E3%80%90dogs%EF%BC%81%E3%80%91/%E3%80%8E%E5%A4%9C%E7%A9%BA%E5%B1%8B%E3%80%8F%E5%BA%97%E4%B8%BB%E3%81%AE%E6%97%A5%E5%B8%B8%E3%80%80%EF%BD%9E%E9%95%B7%E6%9C%88%E6%8E%A2%E8%A8%AA%20-%20%E5%87%BA%E7%99%BA%EF%BD%9E" target="_blank">&gt;&gt; Next to …</a>]]>
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    <category>駄文【DOGS！】</category>
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    <pubDate>Mon, 16 Aug 2010 13:13:25 GMT</pubDate>
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