セリス 「そんな訳で、今日は暑い夏にとっても役立つ飲み物や食べ物の作り方を紹介するよ」

レイヴァン 「いや、何が『そんな訳で』なのか良く分かんねぇよ！？」

ルカ 「あまり気にしたら負けですよレイヴァンさん。…ではウタリさん？　最初に紹介するモノを発表して下さい」

吟人 「了解した。……1品目は『赤シソ酢ジュース』」

レイヴァン 「赤シソ…は分かるが酢…？　しかもジュース…？？」

ルカ 「シソは古来より、漢方生薬にも使われる程に重用されていた植物です。栄養価はかなり高く野菜の中でもトップクラス。一方、酢は摂取する事で疲労回復の効果があります。どちらも少々独特な味わいから苦手な方も居るかもしれませんが、ジュースにすれば手軽に飲めますし身体にも良い…つまり一石二鳥な訳ですね」

セリス 「このジュースは上手く作れば甘酸っぱい感じで、食欲が減退する夏の暑い時期でも飲みやすいんだ。酢の効果で胃液の分泌が正常化されたり、どろどろ血をさらさらなモノにしてくれたりもするしね」

吟人 「冷やして飲むと美味い」

レイヴァン 「成程な…ま、選ばれるだけのモノではある…と」

ルカ 「では、まず材料からお教えしましょうか。……ウタリさん！」

吟人 「ん（材料の一覧が書かれた画用紙を取り出す）」


---------------------------

赤シソ（葉のみ）…　200g
酢　…　400cc（2カップ）
砂糖　…　400g
水　…　2000cc

---------------------------


セリス 「シソは葉っぱだけを使うから、茎が付いている場合は取り除いてね！」

ルカ 「酢は純米酢も良いですが、リンゴ酢もお勧めです。好みで選んで構わないかと思いますよ」

吟人 「きび、てんさい……その砂糖がお勧め」

セリス 「他にもハチミツをいれる場合もあるみたいだけれど、今回は敢えて入れない方を紹介するよ」

レイヴァン 「水はこれは水道水でいいのかよ？」

ルカ 「いえ、市販のミネラルウォーターが良いでしょう。とはいえ気にしない方などは水道水で作ってしまうらしいですが。……さて、ではそろそろ作り方と行きましょうか」



～ BGMは3分クッキングのアレでご覧下さい ～



セリス 「まずは鍋に2000ccの水を入れて火にかけよう。ぐつぐつ煮立ってきたら、酢を2カップ入れてね。そして事前に水洗いしてしっかり水切りをしておいた赤シソを入れて煮出しを開始するよっ」

レイヴァン 「何分ぐらいこれは煮れば良いんだ？　煮過ぎはマズイんだろ？」

セリス 「そうだね。だいたい五分ぐらいで十分かな。お湯が綺麗な赤紫色になってくる筈なので一旦火を止めてね」

ルカ 「火を止めたらシソの葉を取り出しましょう。そして煮出した汁を軽く濾しておくと良いですよ。どうしても煮る際にシソの葉からカスが出たりしますからね」

レイヴァン 「もう見た目だけで言うなら立派なシソジュースだな。酢も入ってるからシソ酢ジュース、か…」

セリス 「でもこのままだと甘く無いからジュースというよりは煮汁、って感じだけれど」

ルカ 「ですので、濾す作業が終わったら火を再びつけて砂糖を加えましょう。しっかりと煮溶かして下さい。その上でだいたい2、30分程度煮詰めると完成です。…ねっ、簡単でしょう？」

レイヴァン 「テメーはそれが言いたかっただけだろ…！？　……しかし確かに簡単っちゃ簡単だな。材料費もそんなかからねぇだろうし」

吟人 「セリス…入れ物（瓶を差し出し）」

セリス 「ありがとう、ウタリ。……あ、レイヴァンちゃん。気を付けてね。保存用の容器はペットボトルとかは使っちゃ駄目だよ？」

レイヴァン 「ちゃん付けするな！（殴）　…で、何で駄目なんだよ。別に入れ物なんて何でも良いんじゃねぇの？　後は入れて冷やすだけなんだろ？」

ルカ 「シソジュースは発酵したりする事がありますから、プラスチック製の容器だとへしゃげる可能性が出てくるんです。それに、冷やす前に熱が抜けきる前のジュースを注いでしまいますから、熱で有害な成分が容器から溶け出す可能性もあるんですよ。なのでお進めは瓶ですね」

セリス 「酢が入ってた瓶をそのまま使うのがお勧めかな。水洗いはいらないよ。水滴があるとカビとか腐敗の原因になっちゃうしね。……それ以外の容器を用意した場合は、出来あがったこのジュースを少量だけ入れて蓋をして…（実演中）…はい、ウタリ。しっかりお願い」

吟人 「了解した」

レイヴァン 「…？」

吟人 「（瓶を上下左右にしっかり振って中身をシェイクし始め）」

レイヴァン 「！？　…何してんだこれ」

ルカ 「シソジュースを使って振り洗いです。ちなみに中身のジュースは勿体無いですが捨てましょう。飲んだりしたらいけませんよー？　ウタリさん、レイヴァンさん」

吟人 「ん、気を付ける」

レイヴァン 「飲まねぇよ！？　ガキじゃあるまいし！？」

ルカ 「はははははは、一応ですよ。一・応♪」

セリス 「……で。後は、この瓶にさっき作ったのを入れてー…はい、完成！　しっかり冷蔵庫で冷やすといいよ」

レイヴァン 「飲む時はこれ、ストレートとかか…？　それにしては濃いそうな感じがすっけど」

セリス 「飲む際は三倍程度の水で薄めて飲むのが一番かな？　グラスいっぱいに氷を入れて、3分の1ぐらいまで原液を入れて、冷やしておいたミネラルウォーター何かを入れてしっかり混ぜると良いよ。飲むだけでグッと身体が冷えて夏場には最適なんだ」

ルカ 「後はそうですね…大人向けの飲み方としては、焼酎などを飲む時にコレで割ってみるのもまたオツです。色々試してみると良いかもしれませんね」

レイヴァン 「……テメーは未成年ばっかりの場で何言ってやがんだよ！？」

ルカ 「レイヴァンさんは神経質ですねぇ……わかりました。貴女の血液型はA型ですね？」

レイヴァン 「ちょっと黙っとけ！（ギャースカ）」

ルカ 「おぉーっと！　……いけませんねぇ、鍋を投げるだなんてレディがする事ではありませんよ？（にやにや）」

レイヴァン 「レディとか言うんじゃねぇぇええええ！！！（大乱闘開始）」

セリス 「……ぁー……」

吟人 「……………放送事故？」

セリス 「…うん、まぁ…間違ってないかな…」