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※『Polaris』のオリジナル「DOGS!」内にある『2010七夕』の後日談です! 先にそちらをご覧の上でお読み下さい!
ルカ「はい、撮影完了ですよー。お疲れ様です」
セリス「ありがとう、ルカさん。良い記念になったよ」
レイヴァン「………ってか、さっきの星空描いた書き割り、どっから引っ張ってきた……?」
ルカ「これは後でプリントアウトするとしましょう。引き延ばして飾っても良いかもしれませんねー(はっはっは)」
セリス「わぁ…僕にもそれ、くれるよね?」
ルカ「勿論ですよ。貴方とレイヴァンさんの馬子にも衣装記念なんですから」
レイヴァン「何だよその馬子にも衣装記念って!? つか、プリントアウトするな! データ消せっ! さっさと消せっっ!!」
ルカ「おっと! …いけませんねぇ、レイヴァンさん。男性に襲い掛かるだなんて、年頃の少女がする事じゃあありませんよ?」
レイヴァン「お、襲い掛かってなんかねぇってんだよ!?」
セリス「あ、ルカさん。そのデータ僕にも後で送っといて下さい。パソコンの方に」
ルカ「はーい♪」
レイヴァン「はーい、じゃねぇよこの馬鹿ルカ!? それにセリスっ! お前も碌でもない事言うんじゃねぇええええ!!!?」
セリス「碌でもない事…かなぁ……?」
ルカ「やれやれ……騒がしいですねぇ。仕方がありません。店頭に飾るのはやめておきましょう」
レイヴァン「……こ、こいつら……っ」
セリス「………(じぃ)」
レイヴァン「……? な、何だよ。何か文句でもあるのかよセリス……」
セリス「んーん。違う違う…(近付き)」
レイヴァン「!? ちょ、おい…(慌て)」
セリス「…じっとして」
レイヴァン「! う、…うぅ……(顔が近い近い近い…!!)」
セリス「………………、………ぁ、何だ」
レイヴァン「……へ!?」
セリス「そっか、何だか印象がかなり違うなーって思ったら。服装だけじゃなくて髪が長くなってるんだね」
ルカ「おや、気付きましたかセリスさん。そうですよ。着換えさせた際にヴィッグも付けさせましたからね。やはり短髪より長髪の方がこの服は似合うんですよ」
レイヴァン「……」
セリス「確かに、短髪だとちょっと服装が豪華だから頭の方が寂しくなっちゃうのかな…?」
ルカ「冠の様な物や豪奢な髪飾りなどがあれば、またそれも変わってきそうですけれどね。ちょうど直ぐに出せる場所にはありませんでしたから」
レイヴァン「…………」
セリス「今、レイヴァンがしてるあの髪型、中国とか大陸方面の雰囲気があるけれど…」
ルカ「まあ、もとより七夕行事の起源はあちらですからねぇ。笹に願い事を書いた短冊を吊るし、星に願掛け……何て言うのは日本ぐらいだそうですが」
セリス「なかなか興味深いんだねー…今度その辺りの本、探してみようかな」
レイヴァン「…………………、…言いたい事は…それだけか……?」
ルカ「おや…何やら不穏な気配が……(すすす…さり気に二人から距離をとり)」
セリス「…あれ、どうしたの? レイヴァン。そんな肩を震わせて……寒い?」
レイヴァン「んな訳があるかこの馬鹿セリス!!(ヴィッグ毟り取り、投げつけ)」
セリス「あいたっ…!? ちょ、え、急に何を……って、あ! せっかく、綺麗にまとまってたのに何で外しちゃうのヴィッグ…!」
レイヴァン「煩い煩い煩いっ!!! そんなに長い髪の方が似合うってんなら、髪の長いお前が着れば良いだろうが!!」
セリス「え、……でもそれ、女の子の服だし僕には似合わないよー、きっと」
ルカ(ふむ…これはなかなか面白い展開に……)
レイヴァン「煩い黙れ文句を言うなら無理やり着せるぞ!?」
セリス「わわ、ちょ、そんな無茶な……!? 痛い痛い痛い、無理やり冠取らないで…! 髪が絡んで…いたたたたたた…!!」
ルカ「……ちょっとお待ちを、レイヴァンさん」
レイヴァン「………何だよ。邪魔するのかよ(鴉呼び寄せ、威嚇し)」
ルカ「いえいえ、そんな面白い事を邪魔する訳がないじゃないですか。えぇえぇ、頑張ってセリスさんに着せてあげたらいいと思いますよー? そう、これなんて如何でしょう(衣装鞄取り出し)」
レイヴァン「……?」
ルカ「貴女の今着ている織姫衣装は、小柄な方用ですからね。流石にそれ程体格は良く無いとはいえ、セリスさんにはキツイ可能性がありますので。新しく用意させて頂きました♪」
セリス「……ルカさん、悪乗りしてない?」
ルカ「はっはっは。……そんな事、ある訳ないじゃないですか。(にこり) 貴方も興味を持っているジャパニーズカルチャーを体験させてあげているだけですよ。別段、外に出かける訳じゃない訳ですし彦星の衣装だけではなく、織姫の衣装も体験してみては? こんな機会、そうそうありませんよ?」
セリス「うー……まあ、そう言われてみれば…そんな気も……(むむむ…)」
ルカ「さあさあさあレイヴァンさん。今のうちに着替えさせてあげると良いですよー。良い感じに丸めこまれてますから、今ならば簡単です(こそこそ)」
レイヴァン「…丸めこんだ奴が言うかよそれを…というか、どうやって着替えさせろってんだよ……(こそこそ)」
ルカ「さっき無理やり着せる、だなんて宣言していた方とは思えない発言ですねぇ…そりゃ、服を脱がせて着せるに決まっているじゃないですか。流石にあの衣装の上から着られるような服では無いですし(こそこそ)」
レイヴァン「ぬ、脱が…っっ!?(真っ赤)」
ルカ「………おや、どうしました?(にやにやにやにや)」
レイヴァン「………っ、お前が着せろ! どうせ、髪も整えるんならその方が良いだろ!!(こそこそ)」
ルカ「えー…面倒ですねぇ。その辺り良い経験だと思って頑張ってみて下さいよせっかくですし(こそこそ)」
レイヴァン「何を非常識な事堂々と勧めてやがるんだてめぇは!? えぇい、さっさとやれ!!!(こそこそ、べしべし)」
ルカ「(ため息) やれやれ、仕方が無いですねぇ…セリスさん。それじゃあ、隣の部屋へどうぞ。着付けて差し上げますよ」
セリス「……ぅ、ぅん……っていうか、変じゃない? 変じゃない??」
ルカ「はっはっは、異文化体験だと思えば良いじゃないですか。女性の服を着て格闘技の大会に赴く人もいたりする世の中ですよ? この程度、どうという事はありません」
セリス「…そういう問題なのかなぁ…」
~ 少年、着換え中 ~
レイヴァン「……うっかり自分が言いだした事とはいえ…また妙な展開になっちまったなぁ……(うぅ)」
ルカ「レイヴァンさん」
レイヴァン「うおっ!? き、急に声かけんな!? …ってお前、着付けてたんじゃなかったのかよ…?」
ルカ「ははは、驚かせたみたいですいませんね。で、着付けの方はまあ大丈夫ですよ。ある程度やり方を教えたら自分でチャレンジすると言いだしましたから。髪は事前に整えましたからもうする事が無い様なものですしね。ま…これもまた異文化体験です。良い事でしょう」
レイヴァン「女装が良い事…か?」
ルカ「はっはっは……あ、そうそうレイヴァンさん」
レイヴァン「何だよ」
ルカ「せっかくですし、貴方も着てみますか?」
レイヴァン「……はぁ!? だ、誰が着るか!? あんなひらっひらしたもん!!」
ルカ「大丈夫ですよ。織姫衣装ではなく、こちらです(衣装鞄差出し)」
レイヴァン「………? ……おい、これ…」
ルカ「別バージョンの彦星衣装です。セリスさんのモノと対になるデザインですよ」
レイヴァン「着たくない」
ルカ「そういうと思いました。……なので、さあ私の目を見てみませんか?(にこにこ)」
レイヴァン「(目を瞑りそっぽ向き)やなこった! また妙な催眠術で無理やり着せられてたまるかってんだよ!!」
ルカ「おやおや」
レイヴァン「……ふん、やっぱり目を合わせなかったら出来ねぇんだろ。ザマァみろ」
ルカ「残念ですがレイヴァンさん」
レイヴァン「……ぁ?」
ルカ「私の催眠術は百八式までありますよ? さぁ、そういう訳ですので――…『お眠りなさい』」
レイヴァン「!?」(な、何だ…今の、声を聞いたら、急に……意識が……zzzZZZ)
ルカ「ふふ…油断しているからこうなります。さて、では暗示をかけて着替えさせるとしましょうか」
~ 少女、(強制的に)着換え中 ~
レイヴァン「………はっ!」
ルカ「やぁ、目が覚めましたかレイヴァンさん。……おぉ、結構似合っているじゃないですか。それで本当に良いのか、という疑問点が大きく残りますが。えぇ、それはもう」
レイヴァン「……(鏡の前で自分の姿をガン見)」
ルカ「さっきより似合っていますよ? さすが普段からして男装な貴女なだけはありますね(はっはっは)」
レイヴァン「………」(本当にさっきよりマシに見える…そりゃまあ、女女したひらひらの服よりはこっちのがマシだが…)
セリス「……ふぅ、やっと着れた…ルカさん、これ難しいよ……(ガラリ、扉開けて)」
ルカ「だから着せて差し上げます、と言ったのに自分で挑戦すると言いだしたのは貴方でしょうに。(苦笑) しかしまあ、…………流石ですねぇ(ふっ)」
セリス「え、何が…?」
ルカ「いえいえ、何でも無いですよ。レイヴァンさんも此方にいらっしゃい。見てみると良いですよ」
レイヴァン「(戻ってきた上で、セリスを見た) …。……。………」(何だろう、……この…何とも言えない敗北感は)
セリス「あ、レイヴァンも着替えてたんだ。それは…彦星の衣装? さっきとはまた違う印象だね。カッコイイよ(にこにこ)」
レイヴァン「……そーかよ(投げやり)」
ルカ「いやー、眼福眼福♪ では記念撮影と行きましょうか」
レイヴァン「なっ、お、おいこれも撮影するつもりかよ!?」
ルカ「それはもう。先程のを撮影して何故これだけ撮影しないなどと言う事が出来ましょう? 出来ようはずがありません」
レイヴァン「何だよその断言!? つか、さっきのもろともそのカメラから破壊するぞ!?」
ルカ「駄目ですよ。これ、私の私物じゃないですから。壊したら貴女が謝罪して弁償して下さるなら壊して下さっても良いですよ?」
レイヴァン「……誰の何だよ、ちなみに」
ルカ「セリスさんの父親のものです。『成長記録は宜しく頼む!』…だそうで」
レイヴァン「…。……。………」
ルカ「親馬鹿ですよねぇ…(遠い目)」
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